子どもをほめるときのお約束は「で・き・た・や・る・こ」
子どもをほめるときに言いがちな「すごい」「おりこう」「えらい」。でもその子のやる気や能力を引き出してあげるためには、あと一歩工夫が必要です。9カ月ごろから2才代までの子どものほめ方のコツを日本キッズコーチング協会の竹内エリカ先生に教えてもらいました。標語にしてまとめたので、できることから取り入れてみてくださいね。
ほめるときは「何がいいのか」をわかりやすく伝える
「すごいね」「えらいね」などの抽象的な言葉は、小さな子どもにはよく理解できません。ほめるときは、できていること・ほめたいことを具体的に伝えましょう。
たとえば上手に立っちができたら「おひざが伸びてるね」と言いながら実際にひざを触ってみるのがおすすめ。子どもの中で自分の行動とほめられた部分が一致して「その行動をもっと頑張ろう」という意欲につながって、より上手にできるようになります。
さっそく実践! 「できたやるこ」でほめ上手な親になろう
0才代~2才代までの子どもをほめるときのタイミング、伝え方の具体例を紹介します。
【で】できたことを具体的に伝えよう
たとえば離乳食を上手に食べられたら、「もぐもぐできたね」「つかむのが上手だね」と、できているポイントを具体的に伝えましょう。2才代になると理解力もついてくるので、「頑張ったから○○ができたね」と結果だけでなく過程をほめて。子どもは自分がどうすればできるようになるかを覚えていきます。
【き】「きもち」そのものをほめよう
1才を過ぎるとだんだん考える力がついてきます。目に見えてできたことだけではなく、たとえ失敗しても「よく工夫したね」「○○をたくさん考えたね」など、その子が努力した気持ちそのものもほめましょう。
【た】タイミングを逃さず伝えよう
子どもが「楽しい」「できた」「わかった」と感じている、まさにそのときがほめるタイミング。ほめて、喜びをわかち合いましょう。このとき「これもやってみる?」と新たな課題を示して挑戦心をあおると、さらに能力が引き出せることも。
【やる】やる気は伸びどき。意欲に共感して声かけを
子どもが何かに興味を持ったときには「やりたいね」「取りたいね」と意欲そのものに共感して声かけしましょう。0才から「あのおもちゃをはいはいして取ってみよう」と行動まで促すように教えると、自分で考えて行動する子に育ちます。
【こ】こうどう(行動)させることが大事
運動能力が発達すると、動き回ってなんでも触りたがります。危険でなければ「ダメ」と禁止せず、のびのび遊ばせて。「手が届いたね」「立っちできたね」「登れたね」など行動をほめて、「できた」体験をたくさんさせてあげましょう。
ママ・パパたちのほめ方は?
ほめることで子どもたちはどんなふうに成長するのでしょうか? 実例を紹介します。
●スプーンはウチの子もまだ全然うまくないですが、保育士の友だちが遊びにきてくれたときに、スプーンの上にちょこっとおかずを乗せた状態までやってあげてました。すると、子どもがスプーンを掴んでそのまま口に入れる…、できたらほめてあげる…。しばらくウチはこれで慣らしていこうと思います。
●遊び食べやお茶をわざとこぼしたり吹き出したりしてましたが、改善されてきました。諭しても、怒られて泣いてもまた同じことをやってた息子ですが、たまたましなかった時に褒めて褒めてとにかく大袈裟に褒めたらしなくなりました! とはいえまだ2歳になりたてなので、これからまたイヤイヤもヒートアップするんだろうな~と覚悟しています。
子どもがしてはいけないことをしたとき、手などを押さえてしかることがありますが、実はほめるときもボディタッチが大切。できたことをわかりやすく伝えて、やる気をどんどんのばしてあげられるといいですね。(取材・文/中澤夕美恵、ひよこクラブ編集部)
※文中のエピソードは口コミサイト「ウイメンズパーク」の投稿からの抜粋です
■参考/『ひよこクラブ』2018年2月号「9カ月からのしかり方・ほめ方」