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10万円給付、「子どもたちの未来のために必ずうけとって」経済学専門家が伝える理由

国家支援と家族という言葉を持つマネーバッグ。州の年金、給付金、社会的保護の保証。現金支払い。低所得者層への社会援助。
Andrii Yalanskyi/gettyimages

新型コロナによる経済的ダメージ(コロナ・ショック)は、相当なものになることが予想されます。多くのママ・パパが経済的な不安を抱えている今、大事な家族を守るためにできることは何でしょうか。「たまひよONLINE」では結婚・出産・子育てについて経済学的手法で研究している、東京大学大学院経済学研究科教授の山口慎太郎先生に聞きました。

「特別定額給付金」はコロナ・ショックの経済対策に役立ちます

――新型コロナによる経済的ダメージへの助成として、国民に一律10万円を支給する「特別定額給付金」の申請が始まりました。もらっていいのかと悩む人も多くいます。

山口先生(以下敬称略) 「公的資金を使うのだから、経済的に困っていない人は辞退すべき」といった意見も聞かれ、申請を迷うママ・パパもいると思います。しかし、堂々ともらい、そして使うべきです。

たとえば、給付金を使って飲食店の料理をテイクアウトすれば、その店の支援につながります。給付金を使うことは、コロナ・ショックへの対応策になるのです。
それに、「もらわない」という人が増えると、本当に必要としている人も申請しづらくなり、国民に一律で給付する意味がなくなってしまいます。もちろん私はもらいますよ。

――「特別定額給付金」で公的資金を使ってしまうと、今後の子育て支援対策に影響が出るのではないか、と心配する声も聞かれます。

山口 少子化対策、子育て対策は5年に一度大きく見直されますが、これらは日本の重要課題なので、今後も対策を強化していくことが決まっています。「特別定額給付金」をもらったから子育て支援の質が悪くなる、ということはあってはならないので、私たちも注視し、必要があれば声を上げなければなりません。

「公的資金を使うと、子どもが大人になったときの負担が増える」と心配するママ・パパもいますが、今、公的資金を使ってコロナ・ショックを乗りきることは、子どもたちがこれから生きる世界をよくすることにつながります。

――リーマン・ショック後の定額給付金は、「手続きが面倒で申請しなかった」という人が少なくなかったよう。今回もそう考える人がいそうです。

山口 公的支援の申請はとかく手続きが面倒なもの。これは日本の今後の課題ですが、とにかく今回は頑張って申請してください。申請書作りに4時間かかったとしても、4時間で10万円を稼げるなら時給2万5000円。こんな割のいい仕事はほかにないと考えて。

コロナ・ショックでいちばんダメージを受けるのはサービス業

――世界的な経済不況というと、2008年に起きたリーマン・ショックを思い出します。リーマン・ショックとコロナ・ショックでは、どのような違いがあるのでしょうか。

山口 リーマン・ショックのときは、飲食業・販売業などのサービス業が雇用の受け皿となりました。サービス業は人手のいる職業なので、不況時の雇用促進には重要な業種なのです。
ところが、コロナ・ショックで最も打撃を受けるのは、対面の仕事が多いサービス業です。もとから働いていた人の雇用維持さえ危ぶまれる状況なため、雇用の受け皿としての役目は果たせません。
サービス業は女性の雇用が多い職種でもあるので、コロナ・ショックの影響は女性のほうが受けやすいといえるでしょう。

――たしかに、サービス業につくママは多いですね。自粛によって勤務先が休業し、収入がなくなった人も少なくありません。新型コロナの影響で休職している場合、救済措置はないのでしょうか。

山口 新型コロナの感染拡大によって会社が休業中の従業員に対し、特例として失業給付を受けられる「みなし失業給付」が検討されています。「みなし失業給付」は、在職中でも会社が休業していたら受けられるため、会社が再開するまでの生活費を得ることができます。
政府も早急な具体化を考えていますので、会社が休業中の人は今後の政府の動きに注目し、決定したらすぐに申請してください。

――緊急事態宣言の解除で、営業を再開するサービス業も出てきました。今後もサービス業に勤める人への影響はありますか。

山口 体力の弱い企業は休業の打撃により、従業員の給与カットやリストラを行う可能性があります。コロナ前よりあまりにも就業条件が悪くなり、それが長く続きそうな場合は、転職も視野に入れて今後のことを考えましょう。
「飲食店でしか働いたことないから転職できない」と考えず、「今までしたことのない仕事にトライしてみよう!」と、前向きな気持ちを持つことが大切です。

自営業ママ・パパは「持続化給付金」を受けられる可能性あり

――会社という後ろ盾のない自営業(個人事業主)のママ・パパも、今の状況は不安が大きいもの。個人事業主には「持続化給付金」という支援があり、経済産業省は5月1日、申請用のホームページを開設しました。

山口 新型コロナの影響で、売り上げが前年同月比で50%以上減少している場合、法人は200万円、個人事業主は100万円を上限として給付されます。自営業ママ・パパはぜひ確認してください。
申請後2週間程度で給付することを想定しているようなので、事業の運転資金などにすぐ活用できると思います。

公的支援をフル活用し、アフターコロナに向かって前進

――今後、どれくらいの期間コロナ・ショックが続くと考えるべきですか。

山口 第2波、第3波が来て、再度緊急事態宣言が出る可能性もあるでしょう。そして、コロナ・ショックから経済が立ち直るには2~3年はかかると思います。
業種によっては、これからもダメージを受けることが考えられますが、アフターコロナには、コロナ前よりワーク・ライフ・バランスのいい、明るい世界があると私は信じています。

具体的な例を挙げると、在宅勤務が働き方の1つとして普及すると思いますので、今まで通勤に取られていた時間が家族と過ごせるようになり、家庭生活が充実することが考えられます。
また、在宅勤務は子育てママの就業チャンスを広げ、キャリアアップにもつながるでしょう。
働き方の選択肢が広がることは、幸せの幅も広がることだと私は考えます。

公的支援を100%使って少しでも経済的な不安を減らし、コロナ後の世界に進んでいきましょう。

お話/山口慎太郎先生 取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部

新型コロナの経済的な影響は長引きそうだと考えられています。まずは、今受けられる公的支援をすべて活用することが大切です。そして各自ができる範囲で経済的活動を行うことが、コロナ・ショックの打開につながると考えて行動しましょう。

山口慎太郎先生(やまぐちしんたろう)
(東京大学大学院経済学研究科教授)

慶應義塾大学商学部卒業。同大学大学院商学研究科修士課程修了。アメリカ・ウィスコンシン大学経済学博士取得。専門は、結婚・出産・子育てなどを経済学的手法で研究する「家族の経済学」と、労働市場を分析する「労働経済学」。初の著書である『「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実』がサントリー学芸賞を受賞。

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