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【専門家監修】離乳食[後期]9〜11ヶ月ごろからのカミカミ食、いつ何をどう食べさせる?

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PIKSEL/gettyimages

9〜11ヶ月ごろの離乳食では、形のあるものを歯ぐきでかんで食べる練習をします。3回食になり、離乳食からとる栄養の割合が増えます。この時期からは少量の油や塩、しょうゆなどが使えるので、メニューの幅を広げましょう。

9~11ヶ月ごろの離乳食のPOINT

食べ物を舌で奥の歯ぐきに移動させてカミカミ。舌が前後・上下だけでなく、左右にも動かせるようになり、大人に近い食べ方になります。椅子に座って食べさせ、手で持てるメニューで、自分で食べる楽しさも教えていきましょう。

モグモグとかんで食べられるようになったら3回食へ進みます

粒状のものを上手に食べられるようになったら、9ヶ月ごろを目安に1日3回の離乳食に進みます。ステップアップの目安はこちらの「ステップアップのタイミング」を参照して。

食材は歯ぐきでかむ練習ができるかたさと大きさに

歯ぐきでつぶして食べるためのかたさの目安はバナナ。根菜などは十分にやわらかく煮ましょう。大きさは歯ぐきにのりやすい3~5mm角くらいが基準です。

調味料が少し使えるようになります

食材の味を覚える時期なので、味つけなしが離乳食の基本ですが、9ヶ月以降は少量の塩やしょうゆ、みそが使えます。まだ毎食の味つけは必要ありません。味に変化をつけたいときなどに、効果的に使いましょう。

栄養の50~70%は離乳食からとります

3回食になると、食べ物からとる栄養の割合が増えます。炭水化物、タンパク質、ビタミン類の3種類の栄養素をとることを心がけて。鉄分が不足しやすい時期なので、レバーやまぐろ、牛肉、ほうれん草などを積極的にとります。

いつ食べさせる?

★1日3回、慣れてきたら家族と同じ時間帯に

離乳食は1日3回に。生活リズムを整えて、離乳食と離乳食の間は3~4時間空くようにします。1日3回食になって初めのころは、10:00、14:00、18:00ごろでもよいですが、3回
食に慣れてくる10ヶ月ごろからは、なるべく家族と一緒に食べるようにして、みんなで食べる楽しさを教えたいもの。ただし、パパの帰りが遅い場合は、ママと一緒に食べ、19時までには食べ終えるようにしましょう。

離乳食のスケジュールの例

「9〜11ヶ月ごろの離乳食」スケジュールの一例です。その子に合ったペースで離乳食の
時間を決めましょう。

06:00 授乳(1)
07:30 離乳食(1)+授乳(2)
12:00 離乳食(2)+授乳(3)
18:00 離乳食(3)+授乳(4)
22:00 授乳(5)

離乳食とおっぱい・ミルクのバランスは?

★栄養の50~70%は離乳食からとるように

栄養の多くを離乳食からとるようになるので、1日3回の離乳食で、栄養バランスのいい献立を心がけましょう。離乳食からの栄養の割合が増えても、まだおっぱいやミルクからとる栄養も大切です。ただし、離乳食後の授乳は、飲まないなら無理にあげなくてもOKです。

何を食べさせる?

★鉄分を含む食材を積極的に取り入れて

食べられる食材の種類が増え、豚肉、牛肉、青背の魚なども食べられるようになります。少量なら、塩、みそ、しょうゆなどの調味料が使えますが、薄味が基本。使う回数も多くなりすぎ
ないようにします。9ヶ月ごろになると、赤ちゃんが体に貯えていた鉄分が減ってくることで、貧血になりやすくなります。レバーやほうれん草、豆加工品、まぐろ、牛肉、ひじきなど、鉄分が多い食材を積極的に取り入れましょう。

どう食べさせる?

★手づかみ食べで食べる意欲を育てます

好奇心が旺盛で、自分で触って確かめたい時期。手で持ちやすい形状にして手づかみ食べをさせましょう。
食事に集中できる時間は10分程度ですが、20~30分くらいは声かけをするなどして様子を見ます。口を開けなくなったらごちそうさまにします。

食べ物のかたさと大きさ・量は?

★歯ぐきでつぶせるバナナのかたさが目安

歯ぐきでかんで食べる練習ができるよう、バナナくらいのかたさを目安にやわらかく調理します。おかゆなら5倍がゆが基本ですが、水分は徐々に減らしていきます。野菜などは歯ぐきにのりやすい3~5mmの粗みじん切りが基本。慣れたら、短いせん切りや角切りへと、形を変えていきます。 

かたさの目安は?

スプーンで押すとつぶれるバナナがかたさの目安です。

スプーンにのせる一口の量は?

離乳食用スプーンの2/3くらいの量が目安です。

1食の量は?

★最初は子ども用茶碗8分目から徐々に増やして1杯弱~1杯強に

主食、主菜、副菜を合わせて子ども用茶碗8分目から始め、徐々に増やしていき、11ヶ月の終わりごろには1杯弱~1杯強くらいにするのが量の目安。 
ただし、個人差が大きくなるので、あくまでも目安と考えて。この時期から、気分によって、食欲にむらが出ることが多くなりますが、母子健康手帳の発育曲線のカーブに沿って体重が増えていれば、ほとんどの場合、問題ありません。

1食の量:9~11ヶ月ごろの初めのころ

おかゆは5倍がゆ。にんじんは粗みじん切りに。鶏肉はたたいてこまかく切ります。量は子ども用茶碗8分目くらい。

1食の量:慣れてきたら

にんじんは5~7mmくらいの角切り、鶏肉はたたいてこまかく切ります。

1食の量:9~11ヶ月ごろの終わりのころ

おかゆは軟飯でもOK。にんじんは7~9mm角くらい。いも類などは1cm角くらいでも。量は子ども用茶碗1杯弱~1杯強くらい。歯ぐきでつぶせるバナナのかたさが目安

食材別1回あたりの目安量&メニューの作り方

3つの栄養素のグループからそれぞれ最低1つずつ食材を選び、メニューを作ります。同じ栄養素のグループから2つの食材を使う場合は、各目安量の半量ずつを使うと、栄養バランスが整います。

【炭水化物】 5倍がゆ大さじ6(90g)~軟飯子ども用茶碗1杯弱(80g)
【タンパク質】 魚の切り身1/5切れ(15g)、または大さじ1(15g)、または豆腐1/7丁(45g)、または乳製品(ヨーグルト)約80g
【ビタミン】 野菜、果物30~40g(にんじん3cm厚さ1個、またはほうれん草の葉先10枚、またはトマト1/6個、またはいちご2個が目安)

9~11ヶ月になると、食べむらや遊び食べなどが始まったり、好き嫌いなどにもかなり個人差が出てきます。ここで紹介した1食の量などはあくまでも目安にして、あせらず、大人と一緒に楽しく食べる練習をしていきましょう。(たまひよONLINE編集部)

■参考:『すぐわかる! 離乳食』(ベネッセコーポレーション 刊)より抜粋。情報は書籍掲載時のものです。

監修/太田百合子 先生

初回公開日 2018/10/20

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