赤ちゃん のど・気管支・肺の病気 肺炎の症状とケア【医師監修】

細菌やウイルスなどの病原体が侵入しやすい部位が、のど・気管支。赤ちゃんは軌道や肺の機能が未熟な上、粘膜がとても敏感で、抵抗力が弱いため、症状が悪化したり長引いたりしやすいもの。せきやくしゃみがひどくなる前に、小児科を受診しましょう。
赤ちゃんの肺炎(はいえん)って?
原因となる微生物によって治療法が違います。症状が重い場合は入院が必要になることも。
肺炎の主な症状
・発熱
・せき
肺炎になりやすい月齢・年齢
新生児期~
肺炎になりやすい季節
通年(春・夏・秋・冬)
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赤ちゃんの肺炎 微生物が肺まで侵入し、炎症を広げた状態です
風邪症候群や気管支炎などになったとき、抵抗力が落ちていると、肺まで微生物が侵入して肺炎になります。
細菌性肺炎
鼻の奥にいる常在菌である肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌などが原因で、高熱や激しいせきが出ます。症状が急に進み、呼吸困難やチアノーゼを引き起こすこともあります。
ウイルス性肺炎
アデノウイルスやインフルエンザウイルスなどが原因で、細菌性肺炎に比べれば症状は軽めですが、ときには重症化も。せきが長期間続くことがあります。
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマという微生物が原因。激しいせきが出て、38~39度の熱が1週間程度続く場合もあります。
クラミジア肺炎
クラミジアという微生物が原因。出産の際に産道感染するものと、周囲の人から感染するものの2種類があります。しつこいせきが長い間続くことが多いです。
赤ちゃんの肺炎 治療&ホームケア
肺炎の原因と状態に合った薬を使って治療します。保湿・保温に注意し、十分な水分と消化がよく栄養価が高い食事を与えます。症状が重いときは入院も必要です。
細菌性肺炎
原因菌に合った抗菌薬を使い、水分をとれない場合は水分を補うための点滴も行います。重症化することも多く、その場合は入院が必要です。
ウイルス性肺炎
鎮咳薬、去痰薬を服用して対症療法を行います。抵抗力が落ちたところに二次的な細菌感染を起こさないように、抗菌薬を使うこともあります。
マイコプラズマ肺炎・クラミジア肺炎
それぞれの原因に合った抗菌薬を内服します。
代表的な薬
・抗菌薬(肺炎の状態に合ったものを投与)
・鎮咳薬・去痰薬(ムコダイン、ムコソルバンなど)
関連:悪化しやすいので要注意!赤ちゃんの“呼吸器”と“のど”6つの病気を小児科医が解説

監修:横田俊一郎 先生
横田小児科医院 院長
東京大学医学部付属病院小児科に入局、社会保険中央総合病院(東京都新宿区)
小児科部長などを経て、1993年より神奈川県小田原市で開業。外来診療を中心に、ありふれた病気、健康増進のための医学、子育て支援をテーマに勉強を続けています。
■赤ちゃん のど・気管支・肺の病気
・風邪症候群
・扁桃炎
・アデノイド肥大
・クループ症候群
・百日ぜき
・気管支炎
・細気管支炎
・気管支ぜんそく
・肺炎
■ママ・パパが気になる!赤ちゃん のど・気管支・肺の症状
・後鼻漏によるせき
・誤嚥によるせき
▼参照:『最新!赤ちゃんの病気新百科』
※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。
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