赤ちゃん のど・気管支・肺の病気 クループ症候群の症状とケア【医師監修】

細菌やウイルスなどの病原体が侵入しやすい部位が、のど・気管支。赤ちゃんは軌道や肺の機能が未熟な上、粘膜がとても敏感で、抵抗力が弱いため、症状が悪化したり長引いたりしやすいもの。せきやくしゃみがひどくなる前に、小児科を受診しましょう。
赤ちゃんのクループ症候群(くるーぷしょうこうぐん)って?
気道が狭くなって空気の通り道をふさぐ病気。特有のせきが出たら、夜間でも受診を。
クループ症候群の主な症状
・せき
・発熱
クループ症候群になりやすい月齢・年齢
生後3ヶ月~3歳
クループ症候群になりやすい季節
冬
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赤ちゃんのクループ症候群 犬の遠ぼえのような甲高いせきが特徴です
ウイルスや細菌に感染して喉頭に炎症が起こり、空気の通り道をふさぐ病気です。発熱やせきなど風邪症候群の症状から始まりますが、声を出す部位である喉頭が「むくむ」ことで声がうまく出せなくなり、徐々に声がかすれてきます。そして、犬の遠ぼえのような「ケーンケーン」という特徴的な甲高いせきが出るようになります。
重症になると肋骨の間がへこむ陥没呼吸をしたり、呼吸困難になってチアノーゼを起こしたり、最悪の場合は窒息することもあるので、注意が必要です。
赤ちゃんのクループ症候群 治療&ホームケア
特有のせきが出たら、すぐに受診してください。
ステロイド薬や血管収縮薬でのどの炎症を鎮めます。
細菌の二次感染予防のため抗菌薬を併用することもあり、呼吸困難が強いときは入院を必要とする場合もあります。
家庭では水分をこまめに飲ませて脱水症状を防いだり、加湿器などを使って保湿に気を配りましょう。たて抱きにするとせきが楽になります。ときには急に悪化することもあるので、特有のせきが出たら、夜間でも受診を。
代表的な薬
・ステロイド薬(デカトロンなど)
・血管収縮薬(ボスミンなど)
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監修:横田俊一郎 先生
横田小児科医院 院長
東京大学医学部付属病院小児科に入局、社会保険中央総合病院(東京都新宿区)
小児科部長などを経て、1993年より神奈川県小田原市で開業。外来診療を中心に、ありふれた病気、健康増進のための医学、子育て支援をテーマに勉強を続けています。
■赤ちゃん のど・気管支・肺の病気
・風邪症候群
・扁桃炎
・アデノイド肥大
・クループ症候群
・百日ぜき
・気管支炎
・細気管支炎
・気管支ぜんそく
・肺炎
■ママ・パパが気になる!赤ちゃん のど・気管支・肺の症状
・後鼻漏によるせき
・誤嚥によるせき
▼参照:『最新!赤ちゃんの病気新百科』
※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。
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