赤ちゃんの動脈菅開存症 症状とケア【医師監修】
赤ちゃんの中には、ママのおなかの中で心臓の形成がうまくいかないまま(先天性心疾患)
生まれてきたり、脈が乱れた状態(不整脈)で生まれてきたりする赤ちゃんが、少なからずいます。その病気の状態によっては早い時期から治療を行う必要があります。心臓病の治療法はめざましく進歩しているので、専門医とよく相談しながら根気強く治療を続けていきましょう。
赤ちゃんの動脈菅開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)って?
ママのおなかの中にいるときの赤ちゃんは、まだ肺呼吸をしていませんから、肺に血液をたくさん送る必要がなく、肺動脈の血液の一部は、直接大動脈や胎盤へと流れていました。
この肺動脈と大動脈を結ぶ太い血管が、動脈管です。通常は生後1、2日で自然と閉じるのですが、閉じないままなのが動脈管開存症です。
動脈管が開いたままの状態だと、動脈血の一部が肺に流れ込んでしまいます。そのために肺に負担がかかり、さらに心臓の機能の低下を招くことになります。
早期産児によく見られますが、正期産児でもまれに起こります。
動脈管が太いほど肺動脈に流れ込む血液の量が多くなるので、肺と心臓への負担が増加します。呼吸が苦しくておっぱいが飲めない、体重の増えが悪いなどの症状が出てきます。
しかし、動脈管が細く軽症だと、症状はほとんどありません。
早期産児でNICU入院中に心不全を起こしている場合は、薬剤のインドメタシンで動脈管を閉じることを試みますが、この薬が効かない場合は、動脈管を切断するか、糸で縛る手術を行います。比較的危険性が少なく確実な方法です。
正期産児の場合は、心内膜炎を起こす危険があるので、これといった症状がなくても治療を行うのが原則です。
手術法としては、少し大きくなるまで待ってコイルで血管をふさぐ方法も普及してきています。
動脈菅開存症の主な症状
・心雑音
・多呼吸
・飲みが悪い
■赤ちゃん 循環器の病気
・心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)
・動脈菅開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)
・肺動脈弁狭窄症(はいどうみゃくべんきょうさくしょう)
・不整脈(ふせいみゃく)
※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。