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「私ってヘリコプターペアレントなの?」子どもの自立を妨げる過干渉のボーダーラインとは

悲しい小さな子供、男の子、自宅フィットする彼の母親
tatyana_tomsickova/gettyimages

「ヘリコプターペアレント」という言葉をご存知ですか? ヘリコプターのように、子どもの上空を飛んで、子どもの行くところどこにでもついてまわるという比喩で使われています。過度に子どもを監視続ける、親子関係のことをいうのだそう。我が子かわいさが故に、干渉してしまうことはあります。けれども度をこすと、子どもは常に親の意見に従い、自分で決断できなくなることもあるようです。

今回は、親子のコミュニケーションを研究する立正大学教授、岡本依子先生にお話を聞きました。

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子離れできていない 私、ヘリコプターペアレントかも!

子育てに迷いながら、過干渉、過管理かもと迷いながら子育てするママたちの声が口コミサイト「ウィメンズパーク」に寄せられています。

「ママはどう思う?」と親に確認して、自分で決められない娘

「塾の先生に『親の顔色をうかがう子になってしまっており、自分のことが自分で決められなくなっている、成績が伸びないのもそれが原因だと思う』とはっきり言われました。何か決める時、『ママはどう思う?』と必ず聞いてきます。 先日、答えを見ながら勉強していたことが発覚したときも、『ママに怒られたくなかった』からと…。今まで自分は子どものためにと思ってやってきたことでしたが、子どもに辛い思いをさせていたとは気づきませんでした」

18歳の娘の行動が気になる!

「高校を卒業した娘が就職。出掛ける時は誰とどこへ行くかを一応教えてもらっています。ある時、誰とどこへははっきり言わず出掛けて行きました。スマホのアプリで居場所を把握できるようにしてるので、確認してみると、車で移動しているみたいで、びっくり。居場所は3駅離れたカラオケ店で、会社の人と一緒でした。娘と電話が繋がり『すぐに帰って来なさい』と伝えました。帰ってきた娘は逆ギレです。心配で、心配で…。過保護なのでしょうか…」

過干渉と放任のさじ加減がわからない

「過干渉が故に息子のことが心配で、心配で信用できず、『信用しているふりするのも疲れた』と言ってしまったり、息子や息子の友達のSNSを監視してみたり…(SNSに関しては息子に謝罪し一切監視をやめました)。息子の心が離れていくのも当然。過干渉をやめることが一番だとは思うのですが、放任になってしまわないかも心配で、さじ加減がわからないのです」

子ども成長を妨げるヘリコプターペアレントとは

わが子かわいさに、過保護になりがちです。けれども度を越せば、子どもの自立を妨げてしまうこともあるようです。どのように子どもたちと接していけばいいのか岡本先生にアドバイスいただきました。

「ヘリコプターペアレントは、子どものためを思って子どもに関するあらゆることに、口出し手出しをしてしまう親のことです。しかし、子どもにも幼稚園や保育園、学校など社会があり、過度に口出しをすると子どもの周囲に迷惑をかけていることもあります。

子どもに関心を持って、関わろうとするのは問題ありません。問題なのは、子どもへの関心が幼稚園でウチの子がいじめられてないか、先生はちゃんとウチの子を見てくれているといった目先の関心にとどまってしまうことです。

目先のことばかり気になると、子どもにどのように成長してもらいたいかという中長期的な展望(友だちとのいざこざを自分で解決できる、自分から先生に必要なことが伝えられるようなる)が見えなくなるので、子どものためにはなりません。

子どもを守りたいがために、子どもの周囲に対して疑心暗鬼になってしまうのです。これは、親にとっても苦しいことです。周囲を信頼して、なにより自分の子どもの成長する力を信じることが重要です。

もしかして「ヘリコプターペアレント」と思ったら、セルフチェックを

「子育てはバランスです。過保護はよくありませんが、保護は重要です。子どもの周囲への配慮が自覚的にできているようであれば、多少、子どもについて行ったり、口出し手出しをしたりすることは、親として普通の感覚です。つまり、子どもに関心があり、子どもと一緒に楽しみたい、子どもが親としての新しい世界を広げてくれている、という感覚であればいいのです。

『子どもが損をしているのではないか』『親がいないところで何をされているのか』という、感覚にとらわれているようであれば、少し深呼吸をして、全体が見えているかどうかセルフチェックしてみるといいかもしれません。

また、自分は『ヘリコプターペアレント』ではないだろうか、子どものことが心配で心配でしょうがないと、感じる人もいるでしょう。

繰り返しになりますが、親としては当然の感覚です。問題と感じるような『ヘリコプターペアレント』は、子ども本人のことをちゃんと見ておらず、子どもの発達段階や子どもの気持ちに鈍感になっている時があります。こういう面が自分にないかも、セルフチェックのポイントかもしれません」

子どもも親も成長します。親は、腹を据えて子育てを楽しむ度胸を

「日々成長する子どもとともに、子育ての心地よいバランスも変化します。もちろん、親も成長します。『腹を据えて楽しむ度胸』のようなものが親は親で大切かもしれません。

親も子どものことばかりにとらわれず、自分にとって大事なものを、できるだけ『たくさん』見つけてみる、というのもいいですね。大事なことは5個6個、あるいは、10個くらいあるものです。

いちばんは子どもだっていいのです。重要なことは、2番目、3番目に大事なことまで、ちゃんと充実しているか考えてみてください。もし充実していないと感じたら、そちらにも気持ちを向けてみてはいかがでしょう。子どもとちょうどいい距離感を持つことで、子どもの別の面も見えてくることがあります。ぜひ子育てを楽しんでください」(岡本依子先生)

我が子が愛しいからこそ、つい手を差し伸べてしまいますが、何もかも先にやってしまうと、子ども自身が力を発揮し、成長する場面を奪ってしまうこともあるようです。「もしかして、私って過保護・過干渉かな?」と思ったら、先生のアドバイスにもありますが、一度立ち止まって深呼吸。子どもの成長のためにも、手出し口出しをグッと我慢して、見守る姿勢でいることが大切かもしれません。(文・酒井範子)


岡本依子先生
立正大学社会福祉学部子ども教育福祉学科教授。専門は、発達心理学。親子のコミュニケーションや異文化の保育・幼児教育などを研究。著書に『妊娠期から乳幼児期における親への移行—親子のやりとりを通して発達する親』(新曜社)などがある。

■文中のコメントは、「ウィメンズパーク」の投稿からの抜粋です。

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