【医師監修】冬のおむつはずれ、トイレを暖かくなどのコツは?
「冬はおむつはずれをスタートできない」と思っていませんか?おむつはずれは夏から始めるイメージが強いですが、2~3才になって子どもの心と身体の準備が整っていれば、冬でもスムーズに進むんです!寒い時期でも上手に進めるコツを、小児科医の若江恵利子先生に教えてもらいました。子どもの準備が整っていれば、春の入園前までにはずすことを目標にしてもいいかもしれません。
最近のおむつはずれ事情、教えて!若江先生
2才、3才でおむつはずれをスタートするのは早いのでしょうか?遅いのでしょうか?小児科として、多くのママ&子どもに接している若江先生に、最近のおむつはずれ事情について聞きました。
「ひと昔前は、おむつはずれができていないと幼稚園に入園できないという考え方が主流でした。そのため、診察時に『もうすぐ幼稚園に入るのに、おむつがはずれません。どうしたらいいでしょう』と相談されることがしばしばありました。また、ばあばから『あなたは1才半でおむつを取ったわよ、早くしなさい』と介入されるケースもよくありました。
でも、今は働くママが主流の時代。保育園はおむつがはずれていなくても入園できますし、親が多忙で、おむつはずれを保育園任せにしがちな傾向にあると感じます。そのため、3才を過ぎてもおむつをしている子は珍しくなくなっているようです」(若江先生)
おむつはずれが遅くなると、子どもの自立心の成長に影響が出る?
以前に比べて、おむつはずれが遅くなる傾向にあることがわかりました。それは、子どもの成長に何か影響があるのでしょうか。
「おむつはずれが遅くなることで懸念されるのは、自立心の成長の遅れです。子どもの心と体の準備は整っているのに、いつまでもおむつをつけていると、自立心が育ちにくいように思います。親が『まだ赤ちゃんだからできないよね』と決めつけ、なんでも先回りしてやってしまったり、面倒で後回しにしたりしていると、赤ちゃんはずっと赤ちゃんのままで成長しません。
わが子をしっかりと観察し、おむつはずれを始める時期を見極めることが大事です」(若江先生)
子どもの準備ができたら、冬でもおむつはずれをスタート!
そもそもおむつはずれとは、子どもが自分で排尿をコントールして、トイレでおしっこができるようになること。親が「はずす」ものではなく、子どもが主体となって「はずれる」ものです。
とはいえ、親の働きかけがなければ、おむつが自然とはずれることはありません。
「親が子どもをきちんと見て、心と体の発達に合わせて進めることが大切です。子どもの準備が整っていれば、夏まで待たずに冬から始めて構わないのです」(若江先生)
うちの子の準備は整ってる?
「おむつはずれをスタートできるか」checkリスト
以下の「心」のこと「体」のことの項目すべてクリアしていたら準備はOK。本格的におむつはずれを始めましょう!
<心>
親子の愛着関係がはぐくまれている
子どもがママ・パパのナビゲートを受け入れるには、愛着関係を土台にした親子の信頼関係が不可欠。
<体>
おしっこの間隔が1時間~2時間空く
膀胱(ぼうこう)が大きく成長して、ある程度の量のおしっこをためておけるようになっている。
1人で歩け、座った姿勢を保てる
子どもがトイレまで歩いて行けて、おまるや補助便座に座ったときに姿勢をキープできる。
「おしっこ」「うんち」を理解できる
日常生活のやりとりから、「おしっこ」など排せつにかかわる言葉や、トイレがなにをする場所かの理解が進んでいる。
冬のおむつはずれはメリットあり!?
子どもの心と体の準備が整っていることを確認したら、「トイレでおしっこしよう」と誘ってみましょう。実は、冬におむつはずれを始めることには、意外とメリットがあるのです。
「冬は体が冷えておしっこが近くなるので、子どもをトイレに誘うチャンスが増える時期といえるでしょう。それに、寒い時期は家で過ごす時間が増えるので、ママ・パパが落ち着いておむつはずれに取り組むことができます」(若江先生)
冬のおむつはずれがスイスイ進むコツを知ろう
寒い季節におむつはずれを始めるにあたり、気をつけたいポイントを紹介します。これらを押さえることで、おむつはずれの進み方が断然スムーズになりますよ!
1 トイレを温かくしよう
トイレが寒いと「トイレでおしっこしよう」という意欲がそがれがち。トイレにヒータを置く、補助便座を置く便座を温める、ひざかけ用のバスタオルを用意するなどの工夫をしましょう。
2 肌着はTシャツタイプが便利
股下をスナップで留める肌着は、トイレに行くたびにはずしたり留めたりするのが面倒。おむつはずれ中は、さっと便座に座らせられるTシャツタイプがおすすめです。持っていない場合は、スナップをはずした状態で着せておくのでもOK。
3 布のトレパンより紙おむつがおすすめ
冬は洗濯物が乾きにくいので、おもらししたときは布のトレパンの洗濯が負担になるもの。おむつはずれスタート時は、紙おむつで進めたほうが親の負担がぐんと減ります。「トイレでおしっこ」の成功率が上がったら、仕上げとして布のトレパンに替えるといいでしょう。
もっと知りたい!本格的おむつはずれQ&A
本格的おむつはずれを始めるとき、ママ・パパが悩みがちなことを若江先生に解決してもらいました。
【Q】本格的おむつはずれで子どもに教えたいことは?
【A】
「おしっこはトイレでするもの」と教えましょう
本格的おむつはずれで教えたいのは「おしっこはトイレでする」ということ。ママ・パパが根気よく誘い続けることで、子どものおしっこの間隔と誘うタイミングが合ってきます。そして「トイレでおしっこ」が成功する機会が増えることで、理解が深まります。
【Q】おむつはずれを始めるときの親の心構えを教えて。
【A】
気長に続けること。気まぐれな対応はNGです
毎日気長に、子どもをトイレに誘い続けることが大切。「今は面倒くさいからいいや」と親の気まぐれで対応を変えるのはNGです。また、おしっこが出る・出ないにこだわらず、「水を上手に流せたね」など、小さなことでもできたことを見つけてほめましょう。子どもの自信とやる気が育ちます。
【Q】誘うタイミングとおしっこが出るタイミングが合いません。
【A】
おしっこの間隔を再確認して、タイミングを見直しましょう
排尿機能の発達とともに、おしっこの間隔は変化します。また、冬はおしっこの回数が増えるので、タイミングがずれていると感じたら、おしっこの間隔を再チェックし、誘うタイミングを見直してみるといいでしょう。
【Q】トイレに行くのを嫌がるようになってしまいました。
【A】
後戻りや中断してもイメージづくりは続けて
ママが誘うたびに嫌がることが毎日続くようなら、トイレに誘うのは一度お休みにしてOK。ただし、「おしっこはトイレでする」というイメージづくりを行う、プレおむつはずれは続けてください。そして、気持ちを切り替えてからリスタートしてみましょう。
2才、3才のおむつはずれ、みんなの体験談
子どもが2才、3才の冬に、本格的おむつはずれを行ったママに、どんなふうに進めたか教えてもらいました。
●3月末生まれの今3才の息子、本格的にトイトレ(トイレに定期的に誘ったり、トレパンにしたり)を始めたの、2才10カ月くらいです。今年の1月に開始。いい感じに軌道に乗ったのか3才になる前にはオムツ取れました。
●うちは、早生まれなので、3才になってすぐの入園でした。だから2才にトイトレしました。秋冬のトイトレでもうちは問題なかったです。漏らしたらすぐ着替えさせればいいだけなので。分厚いトイトレパンツでなければ、冬も意外と乾きますよ。
●3才になって、3日で外れました。安いパンツを7枚くらい用意して、何回か…ジャーと出したら、本人もオヤ?と思いトイレに行ける様になりました。言葉も通じるし、お互いノンストレスだった記憶があります。
子どもの心と体の準備ができていたら、冬でもおむつはずれを始めることが大切だとわかりました。コツを知れば寒い時期でもスムーズに進められるので、子どもからGOサインが出ていたら、早速、トイレに誘ってみてくださいね。(文・ひよこクラブ編集部)
■参考/「1才2才のひよこクラブ」2019冬春号特集「夏になるまで待っちゃダメ!2才・3才冬から始めるおむつはずれ」
初回公開日 2019/12/26
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