赤ちゃん のど・気管支・肺の病気 気管支ぜんそくの症状とケア【医師監修】
細菌やウイルスなどの病原体が侵入しやすい部位が、のど・気管支。赤ちゃんは軌道や肺の機能が未熟な上、粘膜がとても敏感で、抵抗力が弱いため、症状が悪化したり長引いたりしやすいもの。せきやくしゃみがひどくなる前に、小児科を受診しましょう。
赤ちゃんの気管支ぜんそくって?
気管支の慢性的な炎症が原因で呼吸困難に。発作を起こさないように予防することが重要。
気管支ぜんそくの主な症状
・呼吸の際にゼーゼーと音がする
・呼吸が苦しい
気管支ぜんそくになりやすい月齢・年齢
生後6ヶ月~
気管支ぜんそくになりやすい季節
梅雨、秋
赤ちゃんの気管支ぜんそく 気管支が狭くなり呼吸がうまくできなくなります
気管支の慢性的な炎症が原因で起こる病気です。気管支に細菌やウイルスが感染したり、ダニやハウスダストなどに対してアレルギー反応を起こすと、気道上皮が腫れて気道粘膜がむくみ、たんがたまります。その結果、気管支が狭くなって空気の通りが悪くなるので、呼吸の際ゼーゼー、ヒューヒューと音がするようになります。症状が進むと呼吸がうまくできなくなり、肩を上下させながら苦しそうに呼吸し、さらに重くなると、眠れなくなります。重度の発作によって呼吸困難を起こし、命にかかわることもあります。
ぜんそく患者の半数以上が10歳以下の子どもで、その多くが5歳ごろまでに発病しています。しかし、子どものころにきちんと治療すれば、6~7割は大人になるまでに発作を起こさなくなります。
赤ちゃんの気管支ぜんそく 治療&ホームケア
気管支ぜんそくは、発作を起こさないよう予防することが重要。こまめに部屋の掃除をして、ぜんそくの原因になりやすいダニやハウスダストを排除しましょう。長期管理薬としては、家庭で吸入用ネブライザーを使って治療する吸入ステロイド薬などが主流になっています。
発作が起きたときは気管支拡張薬を服用し、落ち着いたら水を飲ませてたんを出しやすくします。発作が強かったり、薬を飲んでも治まらないときはすぐ小児科を受診しましょう。
代表的な薬
・吸入ステロイド薬(パルミコート吸入薬、キュバール、フルタイドなど)
・気管支拡張薬(テオドール、アトック、ベラチンなど)
ぜんそく様(性)気管支炎
乳幼児が「ゼーゼー」した呼吸をしているとき、気管支炎なのか気管支ぜんそくなのか区別がつきにくく、その場合は便宜上、「ぜんそく様(性)気管支炎」と呼ぶことがあります。感染症が治まると治ることも多いのですが、あとになってから気管支ぜんそくと診断される場合もあります。呼吸が「ゼーゼー」してせきがひどいときは、気管支を広げる内服薬や吸入薬を使用します。細菌感染が原因の場合は抗菌薬を使います。
●イラスト/ヌガトモコ
■赤ちゃん のど・気管支・肺の病気
・風邪症候群
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・アデノイド肥大
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・百日ぜき
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・気管支ぜんそく
・肺炎
■ママ・パパが気になる!赤ちゃん のど・気管支・肺の症状
・後鼻漏によるせき
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※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。