赤ちゃんの「夕寝」の大切さ 夕寝は夜の睡眠の敵じゃない! 米国IPHI公認・乳幼児睡眠コンサルタント
今回は「赤ちゃんの夕寝」について。日本人初の米国IPHI公認・乳幼児睡眠コンサルタントの愛波文さんが、赤ちゃんや子どもの睡眠について米国NYから情報を発信!
「愛波文さんのぐっすりねんねROOM#17」。
夕寝とは、夕方に寝ることを指します。赤ちゃんが夕寝すると、「今日は夜の就寝が遅くなっちゃうかも…」と、心配になるママやパパもいることでしょう。けれど、赤ちゃんの月齢によっては夕寝が質のいい睡眠に一役買ってくれているとか⁉ 夕寝の正しいし知識を、愛波さんが教えてくれました。
1才6カ月以降は夕寝が夜の就寝に響くことも
「16時以降に赤ちゃんを寝かしてしまうと、夜眠れなくなる」
「赤ちゃんに昼寝をさせすぎると、夜寝てくれなくなってしまう」
こんなことを言われたり、育児書の記述を見かけたりしたことはありませんか?
確かに、月齢によっては夕寝(昼寝)が長すぎると、夜の就寝に影響が出てくることはあります。
1才6カ月以降で、16時ぐらいまでぐっすり寝てしまった場合、夜の就寝が22時と遅くなってしまうことはよくあります。
このように就寝時刻が遅くなってしまう場合は、16時まで昼寝をさせてしまうのは避けたいもの。
でも、16時まで昼寝をしていて、20時には寝てくれるという場合は、無理して起こす必要はありません。また、風邪をひいていたり、体調が悪かったりするときは、いつもより寝ると思いますので、そのまま寝かせていても大丈夫です。
9カ月くらいまでは夕寝が必要!
一方で、赤ちゃんの月齢によっては夕寝がものすごく大事です。
9カ月くらいまでは夕寝が必要だと思ってください。16時以降に夕寝をしても問題ありません。
9カ月を過ぎて、夕寝がなくなってくると昼寝が16時ぐらいまでになることがありますが、その場合でも19時30分や20時くらいにまた眠くなりますので、寝かせてしまってOKです。
お子さんの月例に適した活動時間(起きていられる時間)を確認していただき、活動時間が大幅にオーバーしてしまわないように寝かしつけることで、その月齢に適した睡眠をとることができます。
活動時間がオーバーしてしまうと、ストレスホルモンのコルチゾールが過剰に分泌し、脳が興奮状態になってしまいます。
興奮状態のわが子を見て、私たち親は「まだまだ元気だわ!」と思ってしまうのですが、実は疲れすぎている状態。疲れすぎる前に寝かせることがとても大切です。
月齢が上がるとともに活動時間も延びていきますので、上記の表を確認していただき、徐々に延ばしていってくださいね。
夜のねんねトラブル防止に、夕寝が有効
夕寝によって、夜のねんねトラブルが改善することもあります。
夜泣きや寝ぐずりなど、夜のねんねトラブルがある場合、夕寝をしていないことが大きな原因になっていることがあります。
夕寝をしないまま就寝時のセルフねんね(ねんねトレーニング)を教えていってしまうと、泣きが激しくなったり、夜泣きをしたり、セルフねんねで寝ついても1~2時間で起きてしまったり、というようなことがありますので、ぜひ夕寝をさせてあげてください。
夕寝はとても大切なのですが、1日の終わりで赤ちゃんも親も疲れてくる時間帯です。夕食の準備もあり、なかなかゆっくり寝かしつけができないこともあると思います。
夕寝はそもそもセルフねんねを教えていくのがとても難しいため、「寝かしつけはどんな方法でもいいです!」とコンサルテーションではお伝えしています。授乳、抱っこ、添い寝、おんぶと、何でもOK。
「何をしても寝てくれない!」という場合は、暗い涼しい寝室でゆっくりと授乳したり、お散歩に出かけたり、抱っこでベランダに出たりするのでもOKです。
夕寝をさせてあげることで、夜のねんねトラブルを防止することができます。
「赤ちゃんに夕寝させると、夜寝てくれなくなってしまう」と怖がらず、9カ月ごろまではぜひ夕寝にチャレンジしてみてくださいね。
構成/ひよこクラブ編集部