赤ちゃんの急性脳炎・急性脳症 症状とケア【医師監修】
乳幼児期に注意したい病気はほかにもたくさんあります。なってしまったときに正しい対処ができないと、赤ちゃんによけいつらい思いをさせてしまうことも。この中には重症化しやすい病気もあるので、あらかじめきちんとした知識を持っておきましょう。
赤ちゃんの急性脳炎(きゅうせいのうえん)・急性脳症(きゅうせいのうしょう)って?
感染症が悪化して意識障害やけいれんを起こします。一刻も早い入院治療が必要です。
急性脳炎・急性脳症の主な症状
・発熱
・けいれん
・嘔吐
・顔色が悪い
・意識障害
急性脳炎・急性脳症になりやすい月齢・年齢
新生児期〜
急性脳炎・急性脳症になりやすい季節
通年(春・夏・秋・冬)
赤ちゃんの急性脳炎・急性脳症 こんな病気
インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、百日ぜき菌などの感染、または不明な原因から脳が腫れたり炎症を起こし、意識障害やけいれん、手足のまひなどの症状が急激に現れる病気。発生頻度が高い病気ではありませんが、発症すると死亡することもあり、治っても運動障害や知的障害などの重い後遺症を残すことがあります。以前は炎症の反応が見られるかどうかで、急性脳炎と急性脳症を分けていましたが、はっきり区別がつかないことも多いため、最近ではまとめて扱うようになっています。
ぐったりしてウトウトしている、体を揺らしても起きないなどの意識障害や、けいれんや嘔吐を繰り返す、目の前にないものにおびえるなど幻覚・幻視が起こった場合は危険な状態です。夜中でも至急受診してください。
赤ちゃんの急性脳炎・急性脳症 治療&ホームケア
発症したらとくに有効な治療法はありません。早期発見・早期治療をしても重い後遺症が残ることがあります。基本的には入院して治療します。脳の浮腫(むくみ)を取る脳圧降下剤を点滴し、原因になっているウイルスや細菌に適した薬も投与します。さらに、けいれんがあるときは抗けいれん薬を使い、必要に応じてステロイド薬を使うこともあります。
かかると進行が早い怖い病気です。急性脳炎・急性脳症から子どもを守るには、原因となる感染症を予防したり、かかった場合に症状が軽く済むようにすることが大切です。DPT-IPV、MR、インフルエンザなどの予防接種は早めにもらさず受けるようにしてください。
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※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。