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肺炎球菌(13価結合型)ワクチン/ヒブとともに、重い後遺症のリスクがある細菌性髄膜炎を予防する

肺炎球菌

肺炎球菌感染症は誰でもかかる可能性のある感染症ですが、2才以下の子どもは、重症化しやすいといわれます。肺炎球菌(13価結合型)ワクチンの受け方や受ける時期、副反応などについてと、肺炎球菌感染症の症状や現在の患者数などについて、小児科医で国立感染症研究所・感染症疫学センター第3室(予防接種室)室長の多屋馨子先生に解説してもらいました。

肺炎球菌(13価結合型)ワクチンは13種類の肺炎球菌に予防効果のあるワクチン

・定期接種
・不活化ワクチン
・皮下注射

赤ちゃんがかかると重症化しやすく、後遺症が残ったり亡くなったりすることもある細菌性髄膜炎、菌血症(細菌が血液の中にいる状態)、敗血症(細菌による炎症が全身に広がり、臓器障害が起きて重篤になった状態)
などを予防することができるワクチンです。2011年までは7種類の肺炎球菌に予防効果がある7価ワクチンが使われましたが、現在は欧米と同じく、13種類の肺炎球菌に予防効果のある13価ワクチンが使われています。

【予防接種の受け方と時期は?】6ヶ月までに3回の接種を終わらせることが大切

6ヶ月以上の赤ちゃんに肺炎球菌による細菌性髄膜炎が増えています。2ヶ月から接種できるので、リスクが高くなる前に必要な免疫をつけておくために、3回の接種を6ヶ月までに済ませることが大切です。また、1才代に追加接種を受けることで、効果が長続きするようになります。
なお、初回の接種月齢・年齢によって接種間隔・回数が異なるので注意が必要です。

1回目の接種月齢・年齢とその後のスケジュール

2ヶ月~6ヶ月…4回接種
1回目から4週以上空けて2回目(定期接種では12ヶ月になるまでに接種)
2回目から4週以上空けて3回目(定期接種では24ヶ月になるまでに接種)
3回目から60日以上空けて1才~1才3ヶ月に4回目

7ヶ月~11ヶ月…3回接種
 1回目から4週以上空けて2回目(定期接種では24ヶ月になるまでに接種)
 2回目から60日以上を空け、1才代(1才~1才3ヶ月)で3回目

1才…2回接種
 1回目から60日以上空けて2回目

2~5才…1回
6才以上の子どもは定期接種としては接種できません。

2ヶ月でB型肝炎、ロタウイルス、ヒブワクチンと同時接種でスタートするのがおすすめ。3ヶ月からは4種混合も加えて5種類を同時接種することが可能です。

【効果の持続期間は?】今のところ不明

どのくらいの効果が持続するかは、現時点ではまだ正確に明らかになっていません。

【副反応は?】ほとんどが軽度。でも、ヒブワクチンより発熱の頻度が高いというデータあり

接種した部位が腫れる、発熱する、機嫌が悪くなるといった症状が見られることがありますが、いずれも軽度で、ほとんどは1~2日で自然に治ります。
ただし、ヒブワクチンより発熱する頻度が高いというデータがあります。発熱してぐったりする、食欲がない、ひどく機嫌が悪いなど気になる症状がある場合は、予防接種を受けた病院を受診してください。

肺炎球菌感染症とはどんな病気?

・かかりやすい季節は?…冬~春に多い
・かかりやすい年齢・月齢は?…0~5才と高齢者
・主な症状は?…発熱、嘔吐、けいれん
・感染力は?…病気が周りの人に感染することはありませんが、飛沫感染で保菌者になります
・ママからの移行免疫は?…3ヶ月ごろまで有効

肺炎球菌が鼻やのどから体内に入って発症します。肺炎球菌感染症は年齢に関係なく、だれもがかかる可能性がある感染症ですが、子ども、とくに2才以下の子どもは肺炎球菌に対する免疫がほとんどないため、重症化することが多く、集団保育の子どもは2~3倍かかりやすいといわれています。

【症状・経過は?】薬が効かない耐性菌が多く、重症化するケースが多い

肺炎球菌が脳を包む髄膜に入り込むと髄膜炎を引き起こし、赤ちゃんの髄膜炎の約20%が肺炎球菌によるものとされています。細菌性髄膜炎になっても早期の症状は発熱と不機嫌くらいしかなく、血液検査をしても風邪と区別できないことが多いため、早期の発見が難しい病気です。

その後、ぐったりする、けいれんを起こす、意識がないなどの症状が現れ、細菌性髄膜炎と診断がついても、抗菌薬が効かない耐性菌があり、治療は非常に困難。髄膜炎のほかに肺炎や中耳炎を起こすこともあり、どちらも重症になるケースが多いです。

【合併症・後遺症は?】後遺症が残るリスクはヒブ感染症より高い

●合併症
脳の中に膿がたまる脳膿瘍、脳室が拡大する水頭症、くも膜と硬膜との間に髄液・血液・浸出液などが貯まる硬膜下水腫、てんかんを引き起こしたり、敗血症(細菌による炎症が全身に広がり、臓器障害が起きて重篤になった状態)になったりすることがあります。

●後遺症
髄膜炎による後遺症として、発達・知能・運動障がいが残るほか、難聴(聴力障害)が起こることがあります。
後遺症が残る割合は25~30%とされ、ヒブ感染症の後遺症(15~20%)より高くなります。

【患者数・罹患率は?】ヒブより頻度は低いけれど重症化しやすく、致命率も高い

2017年の調査によると、5歳未満で血液や髄液など、通常は無菌的な部位から肺炎球菌が見つかった侵襲性肺炎球菌感染症は、年間で466人が発症。5才未満人口10万当たりの報告数は9.47人でした。ヒブより頻度は低いのですが、重篤になりやすく、5才未満では毎年1~5人が命を落としています。

侵襲性肺炎球菌感染症は早期の治療が困難で、適切な治療を行っても合併症や後遺症を防ぐのは難しい病気です。ヒブワクチンとともに2ヶ月になったらすぐに接種し、感染リスクが高くなる6ヶ月までに免疫をつけることで、恐ろしい病気から子どもを守ってあげましょう。

情報提供/多屋馨子先生 取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部

多屋馨子先生(たやけいこ)

Profile
国立感染症研究所 感染症疫学センター 第三室(予防接種室)室長。小児科医。高知医科大学(現 高知大学医学部)卒業。大阪大学医学部小児科講座に入局し、大阪大学医学部附属病院・関連病院小児科、大阪大学医学部微生物学講座・小児科学講座で小児科の臨床、ヘルペスウイルスを中心とした基礎研究、小児感染症学の教育に従事。2001年から国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官。02年から国立感染症研究所感染症情報センター第三室(予防接種室)室長。13年から現職。

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