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A型肝炎ワクチン/発展途上国では今も流行しているA型肝炎を予防する

A型肝炎ワクチン

A型肝炎ウイルスに汚染された食べ物などから感染するA型肝炎は、発展途上国では今も流行中。60才以下の日本人はほぼ免疫をもっていないので、ワクチンで予防する必要があります。A型肝炎ワクチンの受け方や副反応などについてと、A型肝炎の症状や現在の患者数などについて、小児科医で国立感染症研究所・感染症疫学センター第三室(予防接種室)室長の多屋馨子先生に、教えてもらいました。

A型肝炎ワクチンは、感染すると治療薬がないA型肝炎を予防

・任意接種
・不活化ワクチン
・皮下注射もしくは筋肉内注射

A型肝炎ウイルスに汚染された食べ物から感染します。日本国内は衛生状態がよくなったので、60才以下のほとんどの人は免疫がなく、どの年齢でもかかります。発展途上国では常にA型肝炎が流行していて、欧米やオセアニア諸国などでも流行することがあります。

日本でもようやく、2013年からすべての年齢でA型肝炎ワクチンが接種できるようになりましたが、WHO(世界保健機関)は1才以上での接種を推奨しています。発展途上国へ旅行や転勤で行くときは、出発前に家族全員が予防接種を済ませることが望まれます。現状は日本に住んでいる人全員に広くすすめられているワクチンではありませんが、トラベラーズワクチンとして大切です。

なお、日本国内でも輸入食品との関連が疑われた集団感染や、飲食店での調理従事者を介した集団感染など、感染例は報告されているので、油断はできません。

【予防接種の受け方と時期は?】接種に年齢制限はなく、子どもも大人も同じ量のワクチンを3回接種

子どもも大人も2~4週間隔で2回接種し、1回目の接種から約半年後に3回目を接種します。1回の接種量は子どもも大人も同じ0.5 mLです。接種年齢に制限はありませんが、WHO(世界保健機関)は1才以上での接種を推奨しています。筋肉内または皮下に接種します。

【効果の持続期間は?】3回の接種で少なくとも5年以上効果が続くといわれています

3回接種すると少なくとも5年以上は効果が持続します。その後、免疫が下がっていくため、感染リスクのある地域に5年以上滞在する場合は、5~10年ごとの追加接種(1回)が推奨されています。

【副反応は?】接種部の腫れや痛み、倦怠感などが見られますが、数日で収まります

接種部位の腫れやしこり、痛みのほか、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛などが見られることがありますが。通常は数日で収まります。

A型肝炎とはどんな病気?

・かかりやすい季節は?…冬から春、初夏
・かかりやすい年齢・月齢は?…高齢者(子どもは感染しても症状が出ないことが多い)
・主な症状は?…発熱や倦怠感と黄疸
・感染力は?…強い
・ママからの移行免疫は?…免疫をもっているママがほとんどいないので、期待できません

A型肝炎ウイルスによる感染症。便から排出されたウイルスに汚染された食べ物を食べてうつります。感染者との直接接触でも感染します。また、A型肝炎ウイルスを保有する貝類を、加熱が不十分な状態で食べることでも感染します。A型肝炎ウイルスに汚染された食べ物も、十分に加熱調理して食べればうつりませんが、ウイルスがついた手で調理することで感染が広がる可能性もあります。
60才代以下の日本人のほとんどは免疫をもっていないので、免疫をつけるにはワクチンが最善の策です。

【症状・経過は?】発熱や倦怠感・黄疸が現れ、入院治療を行います

約1ヶ月の潜伏期間ののち、発熱や倦怠感と黄疸が現れます。基本的には入院治療を行いますが、治療薬はなく、対症療法で回復を待ちます。多くは数週間の入院で後遺症もなく治ります。
乳幼児は感染しても症状が軽く済むことが多く、高齢者では症状が重くなる傾向にあります。

【合併症・後遺症は?】後遺症・合併症はまれですが、高齢者は死亡することも

●合併症
まれに急性腎不全、貧血、心筋障害などが見られることがあります。

●後遺症
慢性化したり、再発したりするのはまれですが、高齢者は、肝臓の機能が急激に低下して意識障害などの重篤な症状が現れる劇症肝炎になったり、死亡したりすることもあります。

【患者数・罹患率は?】年間数百人が感染し、15%は海外での感染

国内では年間数百人の患者数が報告されており、患者全体の15%が海外での感染が疑われています。主な渡航先はフィリピン、 タイ、 台湾、 韓国、 インドネシア、 カンボジア、 インド、 ベトナム、 パキスタンなど、アジアの国々でした。(2015~2019年3月のデータによる)。

アジアの国々は、日本のビジネスパーソンが渡航あるいは海外勤務することも多い地域で、A型肝炎を発症する例が報告されています。海外への転勤が決まった場合は、必ず家族全員が予防接種を受けるようにしましょう。

情報提供/多屋馨子先生 取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部

多屋馨子先生(たやけいこ)

Profile
国立感染症研究所 感染症疫学センター 第三室(予防接種室)室長。小児科医。高知医科大学(現 高知大学医学部)卒業。大阪大学医学部小児科講座に入局し、大阪大学医学部附属病院・関連病院小児科、大阪大学医学部微生物学講座・小児科学講座で小児科の臨床、ヘルペスウイルスを中心とした基礎研究、小児感染症学の教育に従事。2001年から国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官。02年から国立感染症研究所感染症情報センター第三室(予防接種室)室長。13年から現職。

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