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インフルエンザワクチン/毎年流行するインフルエンザを予防する

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インフルエンザワクチン

小児と高齢者、持病を持っている人はインフルエンザにかかると重症化しやすいため、毎年きちんと予防策を講じる必要があります。小児科医で国立感染症研究所・感染症疫学センター第3室(予防接種室)室長の多屋馨子先生に、インフルエンザワクチンの受け方や副反応、インフルエンザの症状や最近の患者数など、ママやパパが知っておきたいインフルエンザの基礎知識を教えてもらいました。

インフルエンザワクチンは、小児や高齢者、持病をもっている人がかかると重症化しやすいインフルエンザを防ぐ

・任意接種(高齢者は定期接種)
・不活化ワクチン
・皮下注射

インフルエンザは感染力が強く、重症化すると気管支炎や肺炎、中耳炎などを合併するほか、インフルエンザ脳症を併発することもあります。小さい子どもは大人と比べて体力や抵抗力がないため、インフルエンザウイルスに感染すると重症化しやすくなります。

インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型があり、毎年冬から春にかけて流行するのはA型とB型。A型にはA(H3N2)亜型(A香港型)とA(H1N1)亜型(かつての新型)があり、B型を含めた3種類のウイルスが、形や性質を変えて流行します(C型は大きな流行はありません)。
そのため、ワクチンによって発症を完全に予防するのは難しく、感染したときに重症化するのを防ぐという意味合いが強くなっています。

2011年から、6ヶ月~2才のインフルエンザワクチンの接種量が1回0.25 mL(2回接種)に増量されました。接種できるワクチンの量が増えたことで、ワクチンの効果がアップすることが期待されています。
ワクチンを接種しても感染しないわけではありませんが、重症化するのを防ぐ効果があります。重症化を防ぐために必要な免疫ができるのは、2回目を接種して2週間くらいたってから。流行時期にしっかり免疫がついているようにするために、ワクチンの接種は早めに済ませるようにしましょう。

インフルエンザワクチンは原料にごく微量の鶏卵の成分が含まれています。卵アレルギーがある場合も、接種可能な場合が多いですが、卵を食べるとアナフィラキシーを起こす子どもは受けられません。接種できるか、事前にかかりつけの小児科医に相談してください。

【予防接種の受け方と時期は?】生後6ヶ月以降、毎年10~11月に2回接種します

インフルエンザは毎年流行するウイルスの型が違い、その年に流行するウイルスを予想してワクチンが作られます。そのため、毎年接種する必要があります。2~4週間の間隔を空けて2回接種してください(13才以降は原則1回接種)。3~4週間空けると、より免疫効果を高めることができます。なお、海外では9歳以上の小児及び健康成人に対しては1回接種が適切であるという見解が出されています。
多くの小児科が毎年10月前半からインフルエンザの予防接種を開始します。流行前に2回の接種が終わるように、1回目は10~11月、2回目は11月中に接種するといいでしょう。

6ヶ月から接種可能ですが、1才未満は予防接種の効果がほかの年齢に比べて低いと評価されています。6ヶ月~1才未満の赤ちゃんが保育園などで集団生活をしている場合は、接種についてかかりつけの小児科医に相談しましょう。
インフルエンザワクチンを接種できない6ヶ月未満の赤ちゃんがいる家庭は、ママやパパをはじめ家族みんなが予防接種を受け、家庭内にインフルエンザウイルスを持ち込まないようにすることが大切です。

【効果の持続期間は?】5ヶ月程度。流行時期をフォローします

接種から5ヶ月程度は効果があります。
5ヶ月たったら、全員が完全に免疫がなくなってしまうというものではありません。また、毎年接種していると、接種前でも抗体が残っていることがあります。毎年、その年に流行するウイルスを予想してワクチンを製造するウイルスを決めるので、そのシーズンのワクチンを受けておく必要があります。

【副反応は?】卵アレルギーのある子どもに接種後、アレルギー症状が出たらすぐに受診を

接種した部位が少し腫れる、熱が出る、発疹が出るなどの副反応が見られることがありますが、ほとんどの場合、1~2日ほどで自然に収まります。
高熱が出てつらそうにしていたら、予防接種を受けた小児科を受診してください。また、卵アレルギーがある子どもにアレルギー症状が出たら、すぐに受診を。

インフルエンザはどんな病気?

・かかりやすい季節は?…冬~春(A型・B型)
・かかりやすい年齢・月齢は?…とくになし
・主な症状は?…高熱、頭痛、倦怠感、せき、ふしぶしの痛み、筋肉痛
・感染力は?…非常に強い
・ママからの移行免疫は?…ママの持っている免疫によって異なります。ただし、6ヶ月以降にはなくなっています

インフルエンザウイルスに感染することで起こる病気。ウイルスが飛沫感染や接触感染で伝播し、潜伏期間1~4日程度で発症します。病院では鼻の奥を綿棒でぬぐって検査し、確定診断をします。
感染力が強く、発症の少し前から人にうつす可能性があります。さらに、症状が治まっても発症後5日を経過し、かつ、解熱後2日を経過するまで(幼児の場合は3日を経過するまで)は人にうつす可能性があるので、この期間は外出を控えてください。
保育園や幼稚園は発症から5日経過し、熱が下がって3日たたないと登園できません。学校は発症から5日経過し、熱が下がって2日たたないと登校できません。お休みしても欠席扱いになりません。

【症状・経過は?】いきなり高熱が出る。小さい子どもや高齢者、持病のある人は重症化しやすい

約1~4日の潜伏期のあと、まず高熱が出て、だるさ、のどの痛み、頭痛などの症状が現れます。検査によって感染が確定したら、抗ウイルス薬や解熱鎮痛薬などが処方されます。インフルエンザを発症しているときは使ってはいけない薬があるので、自己判断で薬を服用するのは絶対に禁止です。
ほとんどの人は自然に治癒します。小さい子どもは重症化しやすいので、重症化のサインが見られたら、すぐにかかりつけの小児科を受診してください。

<重症化のサイン>
・けいれんしている
・呼びかけても反応しない
・呼吸が速い、または苦しそう
・顔色が青白い
・嘔吐や下痢が続いている
・症状が長引いて悪化してきた

【合併症・後遺症は?】合併症のインフルエンザ脳症は、日本の子どもが起こす急性脳炎・脳症の原因第1位

●合併症
肺炎、気管支炎のほか、脳症、ライ症候群※、心筋炎、中耳炎などを併発することがあります。合併症が起こると重症化したり、死亡したりすることがあります。

※ライ症候群:脳の炎症や腫れ、肝機能の低下などが起こる原因不明の病気

●後遺症
合併症のインフルエンザ脳症は、体内に増えたウイルスに免疫が過剰反応して脳が腫れ、意識障害を起こす病気。致命率は8~9%で、回復しても約25%に手足のまひや発達の遅れ、てんかんなど後遺症が出るといわれます。
インフルエンザ脳症は日本の子どもの急性脳炎・脳症の最大の原因で、毎年100~200人が発症しています。

【患者数・罹患率は?】毎年推定で約1000万人が感染し、2500~3000人が死亡

国内のインフルエンザ患者数は、推定で毎年約1000万人いるといわれ、毎年約2500~3000人の人がインフルエンザによって命を落としています。大きな流行があると、死亡者が増えることがわかっています。
また、毎年100~200人の日本の子どもがインフルエンザ脳症になり、死亡したり後遺症に苦しんだりしています(2019年のデータによる)。

インフルエンザは毎年流行するので、毎年ワクチンを接種しなければいけません、「10月になったらインフルエンザの予防接種を受ける」を家庭内の決まりごとにし、子どもだけでなく家族全員が受けるようにしましょう。

情報提供/多屋馨子先生 取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部

多屋馨子先生(たやけいこ)

Profile
国立感染症研究所 感染症疫学センター 第三室(予防接種室)室長。小児科医。高知医科大学(現 高知大学医学部)卒業。大阪大学医学部小児科講座に入局し、大阪大学医学部附属病院・関連病院小児科、大阪大学医学部微生物学講座・小児科学講座で小児科の臨床、ヘルペスウイルスを中心とした基礎研究、小児感染症学の教育に従事。2001年から国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官。02年から国立感染症研究所感染症情報センター第三室(予防接種室)室長。13年から現職。

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