赤ちゃんの育児 生後1歳0~3ヶ月
【医師監修】生後1歳0~3ヶ月 育児の基本情報
行動範囲がグンと広がります
生後1歳0~3ヶ月の赤ちゃんの発育・発達
監修医師:あさかクリニック理事長 若江恵利子先生
多くの子があんよし、言葉が出る子も
約8割の子があんよするようになり、意味のある言葉を話し出す子も出てきます。
歩き始める子も。栄養のもとはほぼ離乳食に
約8割の子どもが1歳3ヶ月までに歩き始めます。あんよし始める時期はとくに個人差が大きいのが特徴です。指先の動きが巧みになり、指でボタンを押したり、ばちで太鼓をたたくなど道具が使えるようになります。離乳食が完了期に進み、栄養の8割以上を離乳食からとるようになります。
意味のある言葉を話し始める子もいます
「ママ」「ワンワン」など意味のある言葉が1~2つ出てくる子がいます。「ないないしてね」とママやパパが言うとおもちゃを片づけるなど、簡単な言葉の意味がわかるようになります。自我が強くなってきて、自己主張が始まり、ママやパパにとって困惑するような場面もありますが、心の発達の大切な一過程です。
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生後1歳0~3ヶ月の赤ちゃんとの生活とお世話のポイント
活発なあんよの時期。事故・けがに注意して
食事、言葉、おしっこの感覚など、赤ちゃんから幼児へと変化していきます。
この時期の赤ちゃんとの生活とお世話
□1歳健診を受けましょう
□補食(おやつ)は4回目の食事と考えましょう
□手洗いの習慣をつけましょう
□家族であいさつを交わしましょう
●おむつはずれに向けて、イメージづくりをスタート
トイレに誘う、トイレの手順を教えるなど、おむつはずれを本格的にするのは2歳ごろですが、「おしっこ・うんちはトイレでするもの」というイメージづくりをしておくとあとあとスムーズ。おむつ替えのときは「おしっこが出たね」「さっぱりしようね」などと声をかけて。それを繰り返すことで、排せつするとすっきりすることや、清潔にするとさっぱりすることがイメージしやすくなります。
●離乳食が栄養補給の中心に。手づかみ食べをたくさんさせて
離乳食でほとんどの栄養をとるようになります。足りない栄養は、1日1~2回のおやつで補いましょう。おやつと言っても甘いものやスナック菓子ではなく、おにぎりや乳製品、いも類など食事に準ずるものを食べさせましょう。自分で食べる意欲が育ってくるので、手づかみ食べがしやすいメニューを1回の献立に1品は加えるといいでしょう。
●言葉の発達を促すために、子どもの声に返事をしてあげましょう
そろそろ初語(「ママ」や「ワンワン」など、初めて出る意味のある言葉)が出てくる子も見られます。子どもが声を発したときは、声のまねをしたり、「そうなの、おもしろいね」など言葉を返したりして、言葉の発達を促して。ママやパパが反応することで子どもはコミュニケーションの喜びを感じ、伝えようとする意欲が育ちます。そのほか、まねっこ遊びや手遊びで、人とかかわることの楽しさも味わわせてあげましょう。
1歳健診について
実施しない自治体が多いため、ほかの健診に比べると受診率が低い傾向にあります。しかし、目や耳、神経のトラブルが発見されやすい時期でもあるのでなるべく受けましょう。
気がかりな点や以前の健診で何かあった場合には自己負担でも受けたほうがいいでしょう。栄養状態のほか、つかまり立ちや伝い歩きなどの運動、言葉の理解などの精神発達も診ます。しかし、いずれも個人差が大きいのが特徴です。
健診内容●視覚●聴覚●言葉の理解●つかまり立ち・伝い歩き・ひとり立ちの様子●物をつかむ様子●身体測定●診察(全体観察、皮膚の状態、胸・背中の聴診、口の中の診察、おなかの触診、大泉門の触診)●陰のう(男の子)、外陰部(女の子)の状態●問診など
離乳食の進め方
ほとんどの栄養を離乳食からとるようになるので、3回の食事をしっかり食べられるようにしましょう。また、第4の食事として補食(おやつ)をプラス。手づかみ食べに加え、スプーンに興味を持ち始めたら持たせてもいいでしょう。
1歳になり、バナナくらいのかたさのものを食べられるようになり、手づかみ食べをするなどの様子が見られたら、かたさや大きさなどのステップアップします。大人と一緒に朝・昼・夜の3食を食べるようにしますが、3食目は19時ごろまでに。食事ではたりない栄養を補うために、1日1~2回、時間と量を決めておやつ(補食)を与えます。
[離乳食のスケジュール例]
6〜7:00 起床、①離乳食+授乳①
10:00 散歩
12:00 離乳食②+授乳②
13:00 昼寝
14〜15:00 散歩、おやつ(補食)
18:00 離乳食③+授乳③
19:00 おふろ
20:00 就寝
※スケジュールは一例です。15:00前後に授乳している場合はおやつは必要ありません。断乳・卒乳後は午前中にもおやつを加えてOKです。
<栄養バランス>母乳・ミルクを卒業したら100%離乳食から栄養を
栄養的には授乳は必要ではなくなる時期です。主食+主菜+副菜を基本に、栄養バランスのいい献立を意識していきましょう。大人用から味付け前に取り分ける調理もしやすくなります。
<食材>刺激物やかたすぎるもの、濃い味は避けましょう
刺激物、かたすぎるもの、繊維の多いもの、生もの、生野菜などをのぞき、多くのものが食べられるように。ただし、味が濃いものは腎臓に負担をかけるので薄味を基本に。
生活習慣を教える
<あいさつ>
あいさつは毎日の繰り返しの中で少しずつ身についていくもの。ママやパパが手本となって日常生活で積み重ねていくことが大切です。朝、夫婦で目を合わせたときに機嫌よく「おはよう!」と言っていますか。食事のときは「いただきます」と元気よく言って食べ始めているでしょうか。毎日の生活の中でママやパパが気持ちよくあいさつすることが、子どものいいお手本になります。
<手を洗う>
きれいになると気持ちいい、という感覚は生まれたときから備わっているものではなく、毎日繰り返すことで身につくもの。外遊びで手足がどろんこになったり、食後に口のまわりが汚れたとき、「きれいにふく」「洗う」という行為を繰り返すことで、清潔感覚を学んでいきます。子どもはママやパパのすることに興味を持ち、まねをしたがります。ママやパパを手本にして、「自分でもやってみよう」という気持ちが育っていくのです。食事やおやつの前後、外遊びから帰ったあとには親子で一緒に洗面所に行き、手洗いする習慣をつけたいですね。その際、「きれいにすると気持ちいいね」と、言葉をかけましょう。
危険を教える
歩けるようになると、好奇心のおもむくままに、あちこち動き回ります。でも、状況判断や危険を認知する力は未熟なので、危ないことを平気でしてしまいがち。また、1歳になるころから少しずつ大人の言うことがわかってくるものの、理解力も自分を抑制する力も未熟なので、「ダメ!」と言ってもなかなか伝わりにくいです。でも、「言ってもわからない」とあきらめず、何度もくり返し、短い言葉で危険を教えていくことが重要です。
<1歳代への“危険”の教え方>
1歳代の子どもに通じるのは、そのときのママやパパの態度(気迫)と表情。ですから、危険なことをしたら即座に止め、真剣な表情で「ダメ!」「危ない!!」と伝えます。言葉の理解は未熟な年代ですが、たとえば熱いものを触りそうになったときに「あちちだよ!」と声をかけるなど、結果としてどうなるかの説明も加えましょう。その場では理解できなくても、共感的な言葉でフォローしていると、2歳代になったとき、行為と言葉が子どもの中で結びつきやすくなります。
<2歳代への“危険”の教え方>
2歳代になると、言葉の理解力が高まってきます。1歳代から熱いものを触りそうになったときに「あちちだよ」と説明してきた場合は、言葉かけの効果が出てくる時期。ママやパパがポットを触りながら「これはあちちだから危ないよ」と伝えるだけで、実際に触らなくても、「ポット=あちち(熱くて危険なもの)」と理解してくるでしょう。
<3歳代への“危険”の教え方>
3歳代になったら「車が来るから出たら危ない」など、より具体的な言葉かけを。今までのように、ただ「危ない」と伝えるのではなく、「なぜ危ないか」を教えることが、より言葉の理解力が高まってくる3歳代には必要です。また、わざと危険なことをしたがる年代でもあるので、真剣な表情と言葉で伝えることは続けますが、自分で危険を回避する力もつけていきたいので、すべて先回りして止めるのではなく、危険度が低い状況では、子ども自身に判断させる場面も作って。
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生後1歳0~3ヶ月の親子のコミュニケーション
監修:相模女子大学学芸学部子ども教育学科准教授 金元あゆみ先生
おうちでもお外でも五感を刺激する遊びを楽しんで
手指を使う、いろいろな場所で歩く&見るなど、赤ちゃんの好奇心を刺激して満足感を得られる遊びがおすすめです。
てんてん&ぐるぐるお絵描き
クレヨンなどを持たせて、画用紙に自由に描かせて発見をいっぱいさせてあげましょう。この時期はまだ絵らしいものは描けませんが、自分が手を振り下ろすと色が紙につく、偶然の楽しさを感じています。描き方をあれこれ横から言わないように。ママやパパの顔を見たタイミングなどに「青の点々、すごいね~」などと一緒に喜びましょう。この時期はまだ握力も指先の力も弱いので、かための筆記具は色がつきにくく、おもしろくありません。色がつきやすく、握りやすい太めのクレヨンやフェルトペンを持たせてあげましょう。
おそとで探索遊び
この時期、外遊びはますます心身のはぐくみに大切な要素となりますが、外で何か特別な遊びをしようとしなくても大丈夫。立っちしたり、歩くこと自体が楽しくてしかたがないとき。存分に立っちやあんよを楽しませて、いっぱい発見してみましょう。
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治療方法やホームケアのしかたは、症状や赤ちゃんの状態によって異なるので、診察をした医師の診断に従いましょう。
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また、その症状の程度によって、夜間や休日でも受信したほうがいいのか、診療時間まで待って受診すればいいのか、などの判断の目安を示しました。事故やケガが起こったときに、まず行うべき応急処置の方法も紹介しています。
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