赤ちゃん・新生児の病気 急性胃粘膜病変・新生児メレナの症状とケア【医師監修】
ママのおなかから出てきたばかりの新生児(生後4週までの赤ちゃん)の病気は、生まれつきだったり、出産時の影響で起こったり、体の各機能が未熟なために起こったりと、その原因はいろいろです。さらに、すぐに治療が必要なもの、経過観察を行うものなど、対処法もさまざまです。主治医の説明をよく聞き、赤ちゃんにとってベストな方法でケアできるようにしましょう。
新生児の急性胃粘膜病変(きゅうせいいねんまくびょうへん)・新生児メレナ(しんせいじめれな)って?
出生後、数日以内に起こる消化管からの出血で、吐いたものや便に血液が混じり色が赤や黒になります。血液を固めるにはビタミンKが必要ですが、赤ちゃんが自分でビタミンKをつくれるようになるには数日かかるため、一過性のビタミンK欠乏症になることが原因です。
吐いてからの時間が短かったり、出血が続いていると吐いたものは赤く、時間がたっていると黒く見えます。便は、出血している部位が肛門に近いほど色が赤くなり、胃や十二指腸などからの出血では黒くなります。
現在は生まれた赤ちゃん全員にビタミンK2シロップを飲ませるので、ビタミンK欠乏が原因のこの病気は減っています。
吐血の場合、生後早い時期はママの血液を飲んでいることがあります(仮性メレナ)。
また、母乳を飲んでいる赤ちゃんで、ママの乳頭に傷があると少量の吐血をすることがありますが、これは心配ありません。
生まれて初めて出る黒い便(胎便)も病気ではなく、正常なものです。
急性胃粘膜病変・新生児メレナの主な症状
・赤や黒のうんちが出る
赤ちゃんの急性胃粘膜病変・新生児メレナ 治療
吐血が少量なら赤ちゃんの様子を見ますが、医師が必要と判断した場合は、ビタミンKを再投与することがあります。
吐血が大量の場合は、点滴でガスターという薬剤を投与します。重症例では、新鮮凍結血漿や赤血球輸血が必要になることもあります。
下血の場合も同様に、大量ならガスターを点滴し、重症例では、新鮮凍結血漿や赤血球輸血が必要になることもあります。
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※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。