赤ちゃん・新生児の病気 新生児黄疸の症状とケア【医師監修】
ママのおなかから出てきたばかりの新生児(生後4週までの赤ちゃん)の病気は、生まれつきだったり、出産時の影響で起こったり、体の各機能が未熟なために起こったりと、その原因はいろいろです。さらに、すぐに治療が必要なもの、経過観察を行うものなど、対処法もさまざまです。主治医の説明をよく聞き、赤ちゃんにとってベストな方法でケアできるようにしましょう。
赤ちゃんの病気 新生児黄疸(しんせいじおうだん)って?
生理的黄疸はほとんどの赤ちゃんに見られます。病的な黄疸のときは、光線療法を行います。
新生児黄疸の主な症状
・皮膚や白目などが黄色くなる
赤ちゃんの新生児黄疸 生理的な黄疸は1週間〜14日で自然に消えます
おなかの中にいるときの赤ちゃんは、ママの血液中の酸素を効率よく取り込むために、血液中の赤血球の数が多いのですが、生まれたあとは、赤ちゃんの赤血球は寿命が短く、余った赤血球は破壊されてビリルビンという物質に変わり、肝臓で処理されます。ところが、赤ちゃんの肝臓は一度に大量のビリルビンを処理できないため、一時的にビリルビンが体内にたまります。これが生理的黄疸で、どの赤ちゃんにも起こります。ビリルビンが黄色のため、赤ちゃんの皮膚や白目が黄色っぽく見えるのです。生理的黄疸は通常は1週間から14日で自然に消えます。ほかには、以下のような黄疸があります。
母乳性黄疸
1つは母乳を十分飲めないことで起こる黄疸で、普通は生後3~4日ごろに見られます。母乳の摂取不足でカロリーがたりないため、肝臓で処理され便に排出されたビリルビンが、血液中に再吸収されることが原因です。
光線療法を行うとともに、母乳を適切に飲むことができるようなサポートを受け、場合によっては一時的に人工乳を足すことで改善します。
もう1つは生後2週を超えても残る黄疸で、体重増加が順調で、母乳も十分に飲めていることが多いです。
原因の約半分は、日本人に多い体質と考えられ、たいていはそのまま経過を見ます。ほかの病気がないか調べて問題なければ、特別な治療は必要なく、母乳も続けてOKです。
高ビリルビン血症
黄疸が強く、血液中の血清ビリルビン値が高い状態です。血清ビリルビン値は血液検査で測定します。
核黄疸
黄疸が強く、ビリルビンが脳に沈着して脳性まひなどの障害を起こします。現在は高ビリルビン血症の段階で治療するため、核黄疸は少なくなっています。
新生児溶血性黄疸
母子の血液型が不適合の場合、ママの血液中に赤ちゃんの赤血球に対する抗体ができてしまい、この抗体が胎盤から赤ちゃんの血液に入ると、赤血球が破壊されて強い黄疸が起きることがあります。
赤ちゃんの新生児黄疸 治療
黄疸が重症化するのを予防するために、光線療法を行います。赤ちゃんの体に特殊な光をあてて、ビリルビンを脂肪に溶けやすい性質から水に溶けやすい性質に変え、便やおしっこに溶かして排泄しやすくする治療法です。光線療法を行っても黄疸が消えない場合は、交換輸血が必要になります。
母乳育児に関連した黄疸の予防のためには、生後すぐから赤ちゃんが欲しがるままにおっぱいを飲ませ、胎便をスムーズに出せるようにすることが大切です。
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※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。