赤ちゃんのおなかの病気 臍ヘルニアの症状とケア【医師監修】
赤ちゃんの胃や腸は、機能や形態が未発達です。吐きやすく、粘膜が敏感なため、ウイルスや細菌に感染すると下痢を起こしがち。おなかの病気でいちばんの手がかりは、うんちの変化。いつもと違うと感じたら、早めに対処することが大切です。生後0ヶ月~3歳ごろまでの赤ちゃんが、かかりやすい病気の症状やホームケアをまとめました。
赤ちゃんの臍ヘルニア(さいへるにあ)って?
でべそは、ほとんどが治療なしで自然に戻ります。2歳以降で治らなければ切除手術を行うことも。
臍ヘルニアの主な症状
・へその突出
臍ヘルニアになりやすい月齢・年齢
新生児期~
臍ヘルニアになりやすい季節
通年(春・夏・秋・冬)
赤ちゃんの臍ヘルニア おへそから腸が飛び出す、いわゆる“でべそ”です
俗にいう“でべそ”のことです。日本人の赤ちゃんの約4%に見られます。腸の一部が皮膚に覆われたまま、おへそから飛び出した状態です。
人間の左右の腹筋は体の中央で合わさり腹壁をつくっていますが、おへそ部分では左右の腹筋が分かれて孔(臍輪)ができています。
赤ちゃんは腹筋が未熟なため、泣くなどしておなかに力が入ると臍輪から腸が出てしまい、でべそになります。
大きさはさまざまで、直径3cm以上になることもあります。
触れるとやわらかく、圧迫すると簡単におなかに戻ります。でも、おなかに力が加わると、またすぐに出てきてしまいます。
赤ちゃんの臍ヘルニア 治療&ホームケア
生後3ヶ月ごろまで大きくなりますが、腹直筋という筋肉の発達とともに、ほとんどは1歳くらいまでに自然と治ります。
普通は治療もなく経過を観察しますが、専門的にテーピングで引っ込める処置をすることもあります。
へこんでも表面に皮が残ってしまう場合は、皮を切除する手術を行うこともあります。
また、2歳以降になっても治らない場合は、突出した部分を切除して、おへそを作ることもあります。
日帰り、または術後1泊程度の入院での手術が可能です。
でべそに硬貨をあててテープで押さえたり、ばんそうこうをはるのはやめましょう。
効果がない上に、皮膚がかぶれて炎症を起こすことがあります。
●イラスト/ヌガトモコ
■赤ちゃん おなかの病気
・ウイルス性胃腸炎・乳児下痢症
・細菌性腸炎・食中毒
・腸重積症
・肥厚性幽門狭窄症
・胃食道逆流症
・胆道閉鎖症
・先天性胆道拡張症
・鼠径ヘルニア・脱腸
・臍ヘルニア
・臍炎・臍肉芽腫
■ママ・パパが気になる!赤ちゃん おなかの症状
・乳糖不耐症
・単一症候性下痢
・腸管リンパ濾胞過形成
・レンガ色の尿
・生理的嘔吐
・生理的便秘
※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。