赤ちゃんのおなかの病気 胆道閉鎖症の症状とケア【医師監修】
赤ちゃんの胃や腸は、機能や形態が未発達です。吐きやすく、粘膜が敏感なため、ウイルスや細菌に感染すると下痢を起こしがち。おなかの病気でいちばんの手がかりは、うんちの変化。いつもと違うと感じたら、早めに対処することが大切です。生後0ヶ月~3歳ごろまでの赤ちゃんが、かかりやすい病気の症状やホームケアをまとめました。
赤ちゃんの胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)って?
便の色が病気を発見する大きな手がかりに。白っぽいうんちが出たら、すぐに受診を。
胆道閉鎖症の主な症状
・皮膚が黄色い
・うんちが白っぽい
胆道閉鎖症になりやすい月齢・年齢
生後0~2ヶ月
胆道閉鎖症になりやすい季節
通年(春・夏・秋・冬)
赤ちゃんの胆道閉鎖症 白っぽいうんちが特徴。発見が遅れると危険な状態に
肝臓から腸に胆汁を送る管である胆道がふさがってしまうため、胆汁が十二指腸まで流れず、肝臓にたまってしまう病気。
1万人に1人の割合で見られ、女の子は男の子の2倍の頻度で発症します。
胆道閉鎖症になると、新生児の生理的黄疸の時期(生後2週間くらい)を過ぎても黄疸が軽くならず、生後1ヶ月前後から緑がかった黄疸になっていきます。
胆汁が腸に流れ出ず、うんちに排出されてこないため、うんちの色は薄く、クリーム色から白色になります。
母子健康手帳に、うんちの色を確認するための便色カードが付いているので参考にしてください。
さらに症状が進むと肝臓が腫れて腹水がたまり、おなかがふくれ上がることもあります。
早期発見が重要で、発見が遅れると肝臓の細胞が壊れて肝臓がかたくなる肝硬変に進展します。
頭蓋内出血、消化管出血、最悪の場合は肝不全や多臓器不全により死亡する恐れもあります。
★胆道閉鎖症のうんちは黄色みがうすくなり、白っぽくなっていきます。しかし、完全に白くなることはむしろ珍しく、淡黄色調のことが多いようです。
赤ちゃんの胆道閉鎖症 治療
肝門部と小腸をつなぐ手術を。改善がなければ肝臓移植が必要に。新生児黄疸が軽くならない、白っぽいうんちが出るなどの症状が出たら、超音波検査などで診断します。
胆道閉鎖症であれば、肝門部と小腸をつなぐ手術が必要です。それでも黄疸が改善されなければ、肝不全に進行する可能性があるため、肝臓移植の手術が必要になります。
■赤ちゃん おなかの病気
・ウイルス性胃腸炎・乳児下痢症
・細菌性腸炎・食中毒
・腸重積症
・肥厚性幽門狭窄症
・胃食道逆流症
・胆道閉鎖症
・先天性胆道拡張症
・鼠径ヘルニア・脱腸
・臍ヘルニア
・臍炎・臍肉芽腫
■ママ・パパが気になる!赤ちゃん おなかの症状
・乳糖不耐症
・単一症候性下痢
・腸管リンパ濾胞過形成
・レンガ色の尿
・生理的嘔吐
・生理的便秘
※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。