妊娠10週【医師監修】妊婦の症状や体の変化、赤ちゃんの成長
![妊娠10週の妊婦の基本情報。おなかの赤ちゃんは小さな手足が見えてきます。](/navi_img/ninshin/shoki/10week/column_kihon01_07_01.png)
つわりの症状がある人は、脱水症状に気をつけて食べられるものを少しずつ口にしましょう。また、このころの赤ちゃんは、ヒトの形に近づいてきて、頭、手、足の区別がわかるようになります。妊娠10週のママの体の基本情報、おなかの赤ちゃんの成長、この時期に気をつけたいことなど日本赤十字社医療センター周産母子・小児センター顧問/東都文京病院、院長・杉本充弘先生に聞きました。
妊娠10週の妊婦の症状・体の変化
月経の遅れやつわりの症状で妊娠を確信するころです
つわりの症状が最もつらくなる時期。けれども、赤ちゃんは絨毛を通してママから栄養をもらっています。
つわりで食べられなくても、赤ちゃんはママの体から栄養をもらっています
妊娠10週になりましたね。妊娠3ヶ月の3週目です。この時期の子宮は、また少し大きくなり、女性の握りこぶしくらいの大きさになります。ママのおなかの表面はあまり変わりませんが、下腹部をなでてみると、ちょっとふっくらした手触りに変わってきているかもしれません。つわりの症状がある人は、今がいちばんつらい時期かもしれません。脱水症状に気をつけて、食べられるものを少しずつ口にしましょう。つわりで何も口にできなかったりすると、おなかの赤ちゃんに栄養が届いているのか不安に思う人もいますが、この時期の赤ちゃんは、へその緒を通してママから栄養をもらっているので大丈夫です。
子宮が少しずつ大きくなるのに伴い、子宮の筋肉や子宮を支える靭帯が引っ張られるため、下腹部にチクチクした痛みが出たり、足のつけ根付近に違和感を覚えたりする場合もあります。大きくなり始めた子宮の圧迫やホルモンの影響で、骨盤の中の血液の流れが悪くなり、腰や外陰部などが重く感じられるようになる人も。また、同じ原因で、腸のぜん動運動が悪くなるため、便秘になるママが少しずつ増えていきます。時期には個人差がありますが、ホルモンの作用で乳房が張って痛みを感じるようになってくる人もいるでしょう。胎盤は、まだ出来上がっていない時期。出血や痛みを伴うことがあれば、早めに産院を受診しましょう。
妊娠10週のおなかの赤ちゃんの成長の様子は?
![妊娠11週ごろの赤ちゃんの身長は約47mm、体重は約30gです。重さの目安はいちご1粒くらいです。](/navi_img/ninshin/shoki/10week/baby.png)
いよいよヒトの形をした胎児としての成長をスタート。2頭身から3頭身になり、体の部位や器官ができて徐々に動きだします。臓器が完成すると、赤ちゃんは羊水を飲み、おしっことして排出し始めます。
おなかの赤ちゃんの成長【8~11週ごろ】
●胎芽から、ヒトの赤ちゃんである胎児と呼ばれるようになります。
●しっぽは完全になくなり頭、足、胴が発達して3頭身に。
●まぶたや唇、歯のもとになる歯胚などができてきます。
●手足の指が分かれ、つめが生え始めます。
●肝臓、胃、腎臓などが働きだし、赤ちゃんは羊水を飲み、尿を排泄し始めます。
妊娠10週ころのエコー写真を見てみよう
小さな手足が見えてきます
ヒトの形に近づいてきて、頭、手、足の区別がわかるようになります。手足を活発に動かす赤ちゃんもいます。写真は片方の足を伸ばした姿勢で、頭の黒い部分は脳です。
![妊娠10週ころのエコー写真。ヒトの形に近づいて、頭、手、足の区別がわかるように。](/navi_img/ninshin/shoki/10week/eco.jpg)
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便秘と痔の予防&対策
妊娠中はホルモンの影響などで便秘気味になりがち。原因と予防策を知っておきましょう
まずは食生活の見直しをしましょう
妊娠前から多くの女性が便秘に悩む傾向にありますが、妊娠すると、それまで便秘に悩んだことがない人も便秘になりやすく、便秘がちだった人はさらに症状が悪化する場合もあります。妊娠中はどうしても便秘になりやすいもの。生活習慣を見直したり、バランスのよい食生活を送ることで、改善に向かう人も多くいます。朝起きたら、きちんと朝食をとり、トイレに入る時間を習慣的につくることが理想的。整腸作用に優れた食物繊維やオリゴ糖、乳酸菌やビフィズス菌を多く含む食品を適度にとるように心がけるといいでしょう。また、適度に体を動かし、腸の働きをよくすると便秘を予防できます。
便秘になるのは、妊娠を機に黄体ホルモンの分泌が増え、その影響で筋肉が弛緩されて腸の働きが低下していること、妊娠中の運動不足や大きなおなかが原因で腹筋が弱くなっている可能性も。日に日に大きくなる子宮が腸を圧迫し、腸の動きを鈍らせていること、おなかの赤ちゃんが気になってトイレでいきめないことなども原因と考えられています。また、痔になってしまうこともあります。大きくなった子宮が直腸や肛門周辺の静脈を圧迫すること、便秘でかたくなった便を強くいきんで排泄すること、血流が悪化することなどが痔になる原因といわれています。
![便秘と痔の予防&対策](/resources/share/img/pc/ninshin/shoki/10week/ninpu/column_kihon02_07_01.jpg?id=77ee21502b0b4324a959)
便秘&痔の予防と対策
朝は腸の働きが活発なので、目覚めたらすぐにコップ1杯の冷水を飲みましょう。ごぼうやきのこ、さつまいもや、乳製品など、食物繊維や乳酸菌などを多く含む食品をとりましょう。長時間同じ姿勢を保つのはNG。体調がよければ散歩をしたり、軽く汗をかいたりする程度の家事を行うなどしましょう。
症状がつらいときは産婦人科で便秘薬を処方してもらいましょう。3〜4日も便通がなかったり、おなかが張って苦しかったり、かたい便で排泄しにくい場合は、遠慮せずに主治医に相談を。赤ちゃんに影響のない便秘薬を処方してくれるので、安心して服用できます。
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妊娠初期に気をつけたい感染症について知っておこう
妊娠初期は、とくに感染症に気をつけたい時期。いちばん心配なのが、おなかの赤ちゃんにどう影響するのかということ。どんな感染症でも予防が第一ですが、もしかかってしまったら早期に治療することが最も大切になります。
胎内感染とは?
おなかの中に赤ちゃんがいる状態でママが感染すると、ママが感染しても大した症状はでないのに、ママからおなかの赤ちゃんに感染し、赤ちゃんが重症化してしまう場合があります。これを「胎内感染」といい、十分な治療が必要です。
![胎内感染は、妊娠中に胎盤を通して病原体が赤ちゃんに感染する場合と、子宮頸部・膣にいる病源体が赤ちゃんに感染する場合があります。](/navi_img/ninshin/shoki/10week/trouble/column_kihon03_07_01.jpg)
なお、ママへの主な感染経路は、空気中を浮遊している細菌などの病原体を吸い込むことによって感染する「空気感染」、ほかの人のせきやくしゃみによってママ自身が感染してしまう「飛沫感染」、皮膚や粘膜の接触のほか、手すりやドアノブなどの間接的な接触で病原体が粘膜に付着する「接触感染」、注射や輸血などの医療行為を介するケースや外傷による出血がほかの人の粘膜に触れるなどで感染する「血液感染」、セックスによって感染する「性行為感染」、汚染された食品を食べることによる「経口感染」があります。
感染症を防ぐために
1.規則正しい生活で体調管理を心がけて免疫機能を高めておく
日ごろから睡眠をしっかりとり、1日3回の食事をとり、規則正しい生活を。体調をととのえ免疫機能を高めておくことは、感染予防の基本です。
2.不用意に人ごみに行かない
飛沫感染を予防するのに、不必要な人ごみへの外出で不特定多数の人と接触することはできるだけ避けるに越したことはありません。
3.外出後はうがい&手洗いを行う
うがい&手洗いで感染症を完全に予防することはできませんが、感染しても発症しにくくなる可能性があります。
4.感染症流行時はうがい、手洗いを励行
感染症などが流行しているときは、うがいと手洗い、マスクで予防を。マスクは隙間のないように正しく着用を。
5.食品衛生にも気をつけて
リステリア菌やトキソプラズマ、O-157(大腸菌)、ノロウイルスによる感染を防ぐため、食品の衛生管理を心がけ、非加熱の食品は控えましょう。
主な感染症
●カンジダ膣炎
妊婦さんに多いといわれ、真菌というカビの一種が原因で起こります。普段から腟や口内にもいる常在菌ですが、抵抗力が落ちたときに腟の自浄作用が低下することで腟炎を発症します。外陰部のかゆみや豆腐のかすのようなおりものが増えますが、抗真菌薬の腟錠で治療すれば簡単に治ります。出産までに治らないと産道感染し、赤ちゃんが鵞口瘡になることがあります。
●水痘(すいとう)
水ぼうそうのこと。水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こります。顔や全身に出た発疹が水疱になり、発熱することも。妊娠初期に初感染すると赤ちゃんは先天性水痘症候群になる可能性があります。また、お産直前に感染すると、生まれた赤ちゃんに感染して、重症化することが多いので、免疫のない妊婦さんは要注意です。
●風疹
風疹ウイルスの感染で起こります。体全体に赤い発疹が出ますが、症状があまり出ないことも。妊娠20週までにママが初感染すると、赤ちゃんにも高い割合で感染し、先天性風疹症候群という障がいをもった赤ちゃんが生まれてくることがあります。初期の血液検査で、ママが持っている抗体の数値を確認し、風疹への免疫を確認できます。
●インフルエンザ
インフルエンザウイルスが原因で起こります。妊娠中に感染すると症状が悪化しやすいので注意が必要です。感染によっておなかの赤ちゃんの成長や機能に影響することはまずありませんが、妊婦さんがかかると早産率が通常より高くなることがわかってきました。妊婦さんにはワクチンの接種が推奨されていますので、インフルエンザが流行する前に予防接種をし、外出後は手洗い・うがいを心がけましょう。
●伝染性紅斑(りんご病)
パルボウイルスが原因。頬がりんごのように赤くなり、手足に紅斑ができ、発熱や関節痛などの症状が出ますが、大人は頬が赤くならない場合も。妊娠20週未満に感染すると、赤ちゃんが胎児水腫になる可能性があるので注意が必要です。特別な治療はなく、安静に過ごしてよくなるのを待ちます。
●リステリア菌
食品からの感染
★どんな病気?
加熱殺菌していないナチュラルチーズ、生ハム、スモークサーモンなどには、リステリア菌が存在する可能性が。ママが菌に感染してリステリア症を発症すると、胎盤を通して子宮内感染を起こし、流産や早産、出生直後の赤ちゃんのトラブルにつながる心配があります。
11週に「主な感染症」として「性感染症」についての紹介と予防について書いてあります。あわせて確認しておきましょう。
監修/杉本充弘先生 文/たまごクラブ編集部
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先輩ママのリアル体験談【妊娠してから食の好みが変わった!? 最近ハマっている食べ物を教えて!】
妊娠11週前後の先輩妊婦さんに「妊娠してから、食の好みが変わったという人も。あなたが最近ハマっている食べ物があれば教えて!」とアンケートを実施。つわりの時期の食の変化を教えてくれました。
いくつかコメントを紹介します。「好き→オレンジ、リンゴ、缶詰のモモ。嫌い→玉ねぎ、ニラ! 玉ねぎもニラも大好きだったのに今は一切受け付けません!」
「お肉が全般的にダメになりました。肉汁を想像するだけでダメ。 みかん、梅干し、アイス、辛いものやラーメンが好き…こんな食生活いかん!」
「柑橘類苦手だったのに、最近はめちゃくちゃよく食べるようになりました笑」
「毎日ミニトマト食べるようになりました。大好きだったこってりしたラーメンが写真見るだけで嫌になりました」
「マクドのナゲットと麺類!」
「日に日に食べれるものが変わっていくんですが 食べやすい→パン類、りんご、なし、ヨーグルト等 食べれなくなった→チョコ類、甘いお菓子、みかん、濃い味付けの料理(特に醤油感強いの)等 ちょっと前に食べたり飲んだりして美味しかったものも数日後あれ?となるので難しいです」
「トマト、茹でた白菜にポン酢、ゆかりご飯、すきやきのふりかけ、りんごをひたすら食べてます♪ 甘いものは全く食べたくない」
「においが口に残る気がしてネギ全般がダメになりました…。 全く食べなかったのに突然好きになったのは、コンビニのおにぎり、とくにツナマヨです」
「味が濃くてしょっぱいもの大好きだったのが、薄味が好きになりました! 大嫌いだったトマトがフルーツみたいにおいしく感じて大好きに」
「白いご飯が苦手になって、めかぶポン酢ご飯やとろろご飯が食べやすくなりました。すし酢も好きでサラダ巻きも良く食べてます」
「豆乳、コーンスープ、ハンバーガー。ひどいつわりでもこれだけは不思議と食べられます!」
「妊娠がわかってからずっと、みかん!胃のムカムカが少し軽減されます」
食の好みが変わった!という声が続々と届きました。トマトとみかんは最強のようです。つわりの症状がつらい時期ですが、脱水症状に気をつけて、食べられるものを少しずつ口にしましょう。 体験談コメントはアプリ「まいにちのたまひよ」内、同じ出産月のママ・妊婦さん同士で情報交換できるコーナー(ルーム)に寄せられた投稿を再編集したものです。
※コメントは、個人的なあくまで感想で医学的・科学的根拠を担保するものではありません。ご理解の上ご活用ください。
【妊娠初期/妊娠2・3・4カ月】初期妊婦さんの不安やお悩みを解消するために、妊娠判明~妊娠4ヶ月までに役立つ情報をお届けする1冊。
ここでしか手に入らない特別付録や、内容充実別冊付録も満載。この1冊があれば、妊娠がわかったら何をすればいいのか丸わかりです!
![初めてのたまごクラブ](/magazine/img/img_hatsutama_01.jpg)
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妊娠日数や生後日数に合わせて、赤ちゃんの成長や、専門家からのアドバイスなど、妊娠日数や生後日数に合った情報を“毎日”お届けします。妊娠育児期にうれしいおトクなクーポンもあります。
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