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妊娠14週 妊娠4ヶ月

【医師監修】妊娠14週 妊婦の基本情報

器官が発育・発達して確認ができるように

日本赤十字社医療センター
周産母子・小児センター顧問
1973年東京大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター周産母子・小児医療センター長、副院長などを経て、2015年より現職。東都文京病院院長。東京母乳の会運営委員長を兼務。

妊娠14週の妊婦の症状、体の変化、赤ちゃんの成長

つらかったつわりが治まり、食欲が出てくるころです。

胎盤が赤ちゃんとママをしっかりつないで、赤ちゃんの発達を応援します。

つわりが治まったころの、食欲増進には気をつけて

妊娠14週になりましたね。妊娠4ヶ月の3週目です。子宮の大きさは乳児の頭くらいになり、おなかのふくらみが出てくるころでしょう。妊娠15週ごろには、胎盤の基本構造がほぼ完成します。そろそろ完成間近の14週で赤ちゃんはかなり安定してくるので、もう流産の心配はそれほどないといえるでしょう。
この時期は、体内のホルモンの状態も安定してくるので、基礎体温が下がっていきます。熱っぽさやだるさも軽減していくので、体調は改善されるでしょう。

つわりの症状は少しずつ落ち着いてきましたか?つわりが長引く人もいますが、多くの人は妊娠12~16週ごろに治まります。長い間つらい症状に悩まされてきたのに、ある日突然気分がよくなる人もいます。
つわりが治まると、食欲が回復します。でも、何を食べてもおいしく感じられるからといって、つい食べすぎてしまうと、体重が急に増えていく心配も。必要以上の体重増加は、妊娠中のさまざまなトラブルや難産などの原因になることも。つわりが終わったら、体重管理を始めましょう。妊娠のごく早い時期に起こる膀胱への圧迫が減り、頻尿などの症状が少なくなってくる場合も。それは、妊娠4ヶ月くらいになると、子宮は骨盤の比較的上部に上がってくるためです。

15週ごろに胎盤の基本構造が完成します

おなかの赤ちゃんの成長【12~15週ごろ】

●器官の形成が終わり、これからは体や手足の骨、筋肉などが発達していきます。

●羊水の量が増え、その中で手足を動かすようになります。

●皮膚は不透明で厚くなります。

●男女の外性器ができます。

●目は閉じていますが、口は開けたり閉じたりしています。

器官の形成が終わり、体や手足の骨、筋肉などがこれから発達してきます。羊水量が増えてきて、手足の動きもしだいに活発に。15週ごろに胎盤の基本構造が完成し、赤ちゃんの発達はさらにスピードアップ!

妊娠14週ころの超音波写真

器官が発達して確認しやすくなります

赤ちゃんの背骨の1つ1つがくっきりと見えます。器官が発達してきて確認しやすくなり、心臓や胃は黒い空洞のように写ります。

妊娠14週の生活アドバイス

妊娠中にとりたい栄養素

妊娠中はママが食べたものがおなかの赤ちゃんの栄養になることを意識して、栄養をとりましょう。

とりたい栄養素・注意したい栄養素

妊娠するとおなかの赤ちゃんやママの健康を促すために、さまざまな栄養素を摂取することがそれまで以上に必要になります。とくに、妊娠中は赤ちゃんの成長や、産後の母乳育児の準備などのために、積極的にとりたい栄養素があります。鉄や葉酸、カルシウムやビタミンB群はその代表的な例。

鉄の1日の推奨摂取量は18~49才のママで妊娠初期9.0mg、中・後期16mg。逆に妊娠中だからこそ、とり過ぎに注意したいものも。有害物質を含むまぐろや金目鯛、ひじき、細菌がつきやすい種類のチーズ、過剰摂取が心配な動物性ビタミンAなどは注意して。

妊娠14週の気がかりやトラブル・病気

鉄欠乏性貧血といわれたら

妊娠すると、循環血液量が増えますが、赤血球の増えるスピードが追いつかないため、血液は薄くなり、必然的に貧血傾向に。「貧血くらい大丈夫」と思っていては大間違いです。重症になると出産時に大出血することも。甘く見ないで!

鉄欠乏性貧血

★どんな病気?
貧血とは、ひと言でいえば血液が薄くなってしまうこと。中でも「鉄欠乏性貧血」は、妊婦さんに多い症状です。妊娠すると、赤ちゃんと胎盤を成長させるためにより多くの鉄が必要になり、鉄欠乏性貧血になる確率が高まります。疲れやすい、めまいや息切れがする、頭痛がするといった症状があったら、その原因は鉄欠乏性貧血かもしれません。

★なぜなるの?
妊娠中は、循環血液量が増えるため、血液が水っぽく薄まります。赤血球まで増えるわけではないため、見かけ上、貧血状態になりやすいのです。あくまで生理的な変化なので、重症化しなければ大きな問題はありません。

★どうすればいい?
貧血を予防するには、治療も大切ですが、普段の食生活から改善していく必要があります。食事療法は副作用の心配もなく、妊婦さんが毎日の生活のなかでできる方法です。貧血を防ぐには鉄をしっかりとることが大切ですが、鉄は体内で吸収されにくい栄養素なので、ほかの栄養素と合わせてとるといいでしょう。

★どんな治療をするの?
貧血が食事だけでは改善できない場合には、鉄剤の内服薬が処方されます。ただ鉄剤には副作用があり、体に合わないという妊婦さんもいます。飲むのがつらい場合は、そのままにせず、必ずかかりつけ医に相談するようにしましょう。

鉄剤・こんな症状(副作用)も

●胃がムカムカする
鉄剤を服用すると胃がムカムカする、気持ちが悪いといった症状が出て、つらいという妊婦さんも。

●便秘や下痢になる
便がかたくなるために便秘になったり、逆に便がゆるくなって下痢になったりすることもあります。
ひどい場合は相談を。

●便が黒くなる
鉄剤は白っぽいのですが、中身は鉄。便をすると黒くてびっくりすることも。ただ、このこと自体は問題ありません。

貧血を防ぐ栄養素

●鉄
赤血球の色素成分であるヘモグロビンの原料になります。

●たんぱく質
鉄の吸収を助けます。鉄と結びついてヘモグロビンをつくります。

●ビタミンC
鉄と一緒にとると、吸収されやすくなります。

●ビタミンB6
たんぱく質の合成を助け、ヘモグロビンを生成します。

●ビタミンB12
葉酸とコンビになってヘモグロビンの生成を助けます。

●葉酸
ビタミンB12とのコンビでヘモグロビンの生成を助けます。緑黄色野菜などに多く含まれます。

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