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妊娠17週 妊娠5ヶ月

【医師監修】妊娠17週 妊婦の基本情報

つわりが治まったら、体重管理をスタート

日本赤十字社医療センター
周産母子・小児センター顧問
1973年東京大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター周産母子・小児医療センター長、副院長などを経て、2015年より現職。東都文京病院院長。東京母乳の会運営委員長を兼務。

妊娠17週の妊婦の症状、体の変化、赤ちゃんの成長

胎盤が完成して、妊娠そのものが安定する安定期に入ります。

赤ちゃんはさまざまな動きをするようになり、それを胎動として感じるママも出てくるでしょう。

体全体に皮下脂肪がついてきて、ふっくらした体形に

妊娠17週になりましたね。妊娠5ヶ月の2週目です。子宮は小学生の頭くらいになり、おなかのふくらみも、いよいよ妊婦さんらしく丸みを帯びてきます。体全体にも皮下脂肪がついてきて、ふっくらしたお母さんの体つきになってきます。とくに大きくなるのがおしりや乳房。産後の授乳に備えて乳腺がどんどん発達していくため、バストは妊娠前より約2カップボリュームアップする人が多いようです。乳腺の発達を妨げないように、きつめのぴったりした服を着るのは避けたほうがいいでしょう。妊娠中でも乳頭から黄色っぽい分泌物が出る人もいますが、心配はいりません。母乳を出す準備が進んでいる証拠です。乳頭についた分泌物はふいたり洗い流したりして、乳頭やその周辺をいつも清潔にしておきましょう。

日本では、昔から、妊娠5ヶ月の戌の日に安産祈願をする習慣が。さらしの腹帯を巻いて祈願します。妊婦さんとしての自覚が出てきたというママもいます。妊婦帯(腹帯)は、大きなおなかを支えたり、腰痛や冷えを防いだりする効果もあります。着けてみて気持ちよく感じる人は、利用してみるのもいいでしょう。 つわりが終わって食欲が戻ってくるため、体重が増え始める人もいます。体調に問題のない人は、適度に体を動かして体重をコントロールすることも大切ですね。

皮下脂肪がつき始め、体の動きはさらに大きくなります

おなかの赤ちゃんの成長【16~19週ごろ】

●骨が丈夫になり、筋肉がついてきます。

●皮下脂肪がつき始めます。

●体の動きが豊かになり、上体を後ろに反らす、足を前にグーンと伸ばす、首を左右に振る、手の指を握るなどの動きをするようになります。

●皮膚に厚みが出て赤みがかり、全身に産毛が生えます。

●髪の毛が生えます。

●手を口元にもってくるなどのしぐさをすることも。

赤ちゃんの骨はやわらかい軟骨ですが、さらに丈夫になり、筋肉がついてきます。皮下脂肪がつき始めるのもこのころ。そのため、体の動きが少しずつ大きくなってきます。胎動をママが感じ取れるまで、あとちょっと!

妊娠17週ころの超音波写真

筋肉と神経が発達します

肩などがしっかりしてきて手足の動きが複雑になってきたのは、筋肉と神経が発達してきた証し。赤ちゃんが伸ばした手足が子宮壁に触れることで、やがて胎動を感じるようになります。

妊娠17週の生活アドバイス

妊娠中の美容

シミやそばかす、かゆみなど、妊娠すると肌トラブルに悩まされる人も少なくありません。予防とケアについて知っておきましょう。

トラブルの多くは産後には解消されます

妊娠すると「かゆい」「シミが増える」といった皮膚のトラブルや、「毛が濃くなる」「髪の毛が抜ける」といった体の変化が起こることがあります。これらの症状は、妊娠を維持したり、産後の体のために分泌されるさまざまなホルモンが影響して、引き起こされると考えられています。

不快症状で気持ちがふさいでしまいがちですが、「おなかの赤ちゃんが育つために起こる変化」と前向きにとらえ、少しでも予防、緩和できるようにケアしましょう。出産を終えるとホルモンの分泌が妊娠前の状態に戻りますから、驚くような急激な変化やトラブルの多くも産後には解消されますから心配いりません。

妊娠線を予防する

妊娠線は皮下組織に入った割れ目のような線。急激におなかが大きくなったり、体重が増えて、皮膚の伸びが追いつかず断裂が起こり、できてしまいます。おなかが大きくなる、妊娠5ヶ月ごろから注意が必要です。おなかだけでなく、乳房や二の腕、おしりや太ももにもできることが。見えにくい場所は鏡でチェックしましょう。

妊娠線の予防には急激な体重増加を避けることが大切。つわりが終わると食欲が出てくるので注意が必要です。バランスのとれた食生活と適度な運動をして、体重コントロールに努めましょう。 そして、肌が乾燥すると皮膚の伸びが悪くなり、妊娠線ができる要因になります。保湿をして肌を柔軟に保ちましょう。

皮膚のトラブル原因と対策

妊娠中に起こりやすい皮膚のトラブルには「かゆみ」や「かさつき」、「シミ」などがあります。かゆみやかさつきの原因は、妊娠によって胆汁排出の機能が低下したり、ホルモンバランスの変化が影響しているためと考えられています。シミはホルモンの影響でメラニン色素が増え、色素沈着が起こり、できやすくなります。

とにかく肌を刺激しないように心がけましょう。むやみにかいたり、ごしごしと洗ったりすると悪化してしまいます。基礎化粧品も妊娠前に使っていたものが合わなくなる場合もあります。保湿効果の高い、低刺激のものに替えてみましょう。

毛・髪のトラブル原因と対策

体毛が濃くなったり薄くなったりするのは、ホルモンの影響により起こります。どの部分が濃くなるのかは個人差があります。髪のパサつきや抜け毛もホルモンの影響や、栄養がおなかの赤ちゃんに優先的に送られるために起こるものです。産後は症状が落ち着いて、自然に元に戻りますから、あまり気にしないようにしましょう。

髪がパサついたり、抜け毛が増えると気になりますが、一時的なものです。やさしく洗うことを心がけ、髪に効果があるとされるタンパク質をとるようにしましょう。見える部分の体毛が濃くなってしまった場合は、やさしく剃りましょう。

妊娠17週の気がかりやトラブル・病気

子宮頸管無力症ってどんな病気?

たいした自覚症状がないのに、子宮が収縮してしまったり、流産や早産を引き起こす病気がいくつかあります。どんな病気があるのか知識を持つことと、定期的に健診をきちんと受けておくことで防ぐことができるものも多いはず。

子宮頸管無力症

★どんな病気?
前触れもなく子宮口が開いてしまう病気
子宮口はお産が近づくと徐々に開いていきますが、まだ子宮口が閉じていなければならない時期に何の前触れもなく、自覚症状もないまま子宮口が開いてしまうトラブル。

★なぜなるの?
体質的に子宮頸管が弱いため
まだはっきりした原因はわかっていませんが、多くは赤ちゃんのいる子宮から腟につながる子宮頸管の筋肉組織が体質的に弱いために、子宮頸管がやわらかくなりやすく、短くなって開いてしまうからではないかと考えられています。

★どうすればいい?
子宮口を縛る手術を行います
そのままでは流・早産の恐れがあるので、多くは、なるべく早く子宮口を縛る手術(子宮頸管縫縮術)を行います。手術はマクドナルド法とシロッカー法の2種類があります。手術をしたら、赤ちゃんが十分に成熟するのを待ってから抜糸し、お産が始まるのを待ちます。

★赤ちゃんへの影響は?
適切な処置を行えばまず問題ありません
子宮頸管無力症はほうっておけば流・早産の恐れがあるものの、子宮頸管縫縮術を行えば、普通に日常生活を送ることができます。手術そのものが赤ちゃんに与える影響はありません。そのまま赤ちゃんが成熟する37週前後まで待てば、抜糸後に自然にお産が始まりますので、必要以上に心配することはありません。

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